国際会議で取り上げられたベトナム東部海域問題

ベトナム東部海域いわゆる南シナ海の状況が複雑に推移していること、中でも大規模な土砂の堆積は島や岩礁の現状を変更させてしまったことは国際社会の注目を集めています。それで、ベトナム東部海域問題は先頃、ミャンマーで開催されたASEAN=東南アジア諸国連合の第25回首脳会議と各連各会議、中国で開催されたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の第22回首脳会議、及びベトナムで開催されている東部海域に関する国際シンポジウムなどで主要議題として取り上げられました。


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17日と18日の両日、ベトナム中部ダナン市で、東部海域に関する国際シンポジウムが開催されます。「東部海域・地域の安全保障と発展に向けての協力」というテーマです。このシンポジウムは国内外の学者や政策コンサルタンツにとって東部海域に関する意見や立場を交換する場となります。これに先立ち、第22回APEC首脳会議と第25回ASEAN首脳会議でもこの問題が集中的に討議されました。

東部海域の安定維持=地域の共通の利益

東部海域の平和、安定の維持、安全保障、航行の自由の確保はASEAN首脳会議だけでなく、ASEAN+1、つまりASEANと中国、インド、日本、アメリカ、国連との個別首脳会合、ASEAN+3、東アジアサミットなどでも各国の指導者の注目を集めていました。ASEAN首脳会議でグエン・タン・ズン首相は東部海域いわゆる南シナ海と東シナ海の平和、安定、安全保障、発展に悪影響を与えている局部的な衝突や危機を分析した上で、次のように述べました。

(テープ) Dung

「ASEANは地域の平和、安定の維持と安全保障の確保に際し、主体性と責任感を高める必要があります。また、我々は関係各側に対し、DOC=海上行動宣言、とりわけ第5条を完全に履行するとともに、自制し、情勢を複雑化させないとともに、武力行使、または行使の脅迫をせず、平和的措置で国際法、中でも1982年国連海洋法条約に従って紛争を解決するよう求めます。また、拘束力のあるCOC=海上行動規範の早期作成に向け、交渉を進める必要があります。」

こうした中、北京で開催された第22回APEC首脳会議の枠内で行われた「革新的発展、経済改革及び成長」と題する第2回全体討論会で、チュオン・タン・サン国家主席は発言に立ち、「地域の安全保障と発展に対する現在の試練や危機を前に、国際法に見合うような対話を促進し、アジア太平洋地域、中でも東南アジアと東部海域の平和、安定、安全保障、航行の自由を確保することは必至の課題となっている」と強調しました。

ベトナム、地域の平和・安定の確保に取り組む

各国際会議で、東部海域問題に関するベトナムのアプローチ方法はアジア太平洋地域の平和、安定、安全保障、発展に対するベトナムの責任感と建設的な姿勢を表すと表されています。また、このアプローチは地域内外の利益に合致することからASEAN諸国と対話国の指導者らの支持を得ました。東部海域問題の解決に関するベトナムの主張は第25回ASEAN首脳会議の議長声明に具体化された上で、アメリカのオバマ大統領、ロシアのメドベージェフ首相、オーストラリアのトニー・アボット首相、パン・ギ・ムン国連事務総長らの支持を受けました。ASEANのSOM=高級実務者会合の責任者を務めるベトナムのファム・クアン・ビン外務次官は次のように語りました。

(テープ) Vinh

「ASEAN・中国対話で、双方はいずれも国際法、国連海洋法条約の遵守、DOCの完全履行、COCの早期作成、紛争の平和的解決を強調しました。また、双方はDOCの第5条の実施を促進する為、交渉や信頼醸成に関する原則で合意を達成しました。さらにホットラインの設立可能性について触れました。そしてCOCの作成を目指し、交渉を促進することで一致しました。」

東部海域問題は3つの大規模な国際会議やシンポジウムで相次いで取り上げられました。紛争を平和的措置で国際法、とりわけ1982年国連海洋法条約の遵守、COCの早期作成などは東部海域の緊張情勢に巻き込まれている各国に対する共通の要求となっています。

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