米国防長官 中国の新たな埋め立てへの懸念は深刻

アメリカのカーター国防長官は、フィリピンに近いベトナム東部海域いわゆる南シナ海の浅瀬で、中国による新たな埋め立てが懸念されていることについて「非常に深刻に受け止めている」と述べ、強い警戒感を示しました。

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(写真:ローター)

ベトナム東部海域では先月、アメリカ軍がフィリピンのルソン島の西およそ200キロに位置し中国が実効支配するスカボロー礁で、中国の艦船による測量とみられる動きを確認し、南沙(スプラトリー)諸島に続き、新たな埋め立てなどに着手するおそれもあるとして警戒を強めています。
これについてアメリカのカーター国防長官は28日、議会上院の公聴会で証言し、スカボロー礁について「ほかの係争地域と同じように潜在的に軍事衝突につながるおそれがある地域で、フィリピンに近いため特に懸念している」と述べました。

そして埋め立てや軍事拠点化のおそれについて「非常に深刻に受け止めている」と述べて、強い警戒感を示しました。
アメリカ軍は今月、フィリピン軍基地の中でもスカボロー礁に近いクラーク空軍基地にA10攻撃機などを展開させ、国防総省の当局者によりますとスカボロー礁周辺で3回、哨戒活動を実施したということです。
また、フィリピン政府と締結した新たな軍事協定に基づいて、アメリカ軍のフィリピン軍基地への事実上の再駐留に向けた動きも進める方針で、今後、中国へのけん制を強める構えです。

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