(VOVWORLD) -北部山岳地帯ラオカイ省バンバン県タムズオン村は低い丘がある地方で、バンバン県の中心地から南西へ約19キロ離れた所に位置しています。
タムズオン村のもち米「カウ・タン・ドン」は一番のもち米と呼ばれています。このもち米の熟す前の緑色のもち米、コム(cốm)もその特別な味で広く知られています。
若いもち米「カウ・タン・ドン」 |
地元の少数民族テイ族の言葉ではカウとは種の意味で、タンドンとは白いもち米という意味があります。このもち米はよい香りがあり、炊いた後、その滑らかで柔らかい食感が特徴です。
もち米「カウ・タン・ドン」は一年に1期作で、旧暦4月に田植えをして、9月に収穫します。収穫期になると、地元の人々はもち米の青い稲穂を採って、コムを作ります。地元の人々はその若いもち米「コム」をまず、先祖にお供えてから、始めて味わいます。
タムズオン村に住むビ・ティ・ソンさんは今年もち米の籾をおよそ1.5トンを収穫する見通しです。ソンさんの話です。
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「私たちはコムを作るため、朝5時に起きて、籾を収穫します。切ってから、きちんと質の高いものを選びます。また、収穫後はすぐにコムを作らなければなりません。長く置くと美味しいコムができません」
タムズオン村に住むタイ族の人々はコムを作るための多くの秘訣を持っていますが、その中の一つは籾を炭火で焼いてから、稲穂を脱穀するということです。
地元の人々はもち米「カウ・タン・ドン」を使って、コムの他、いくつかの製品を生産しています。タムズオン村女性協会のラ・ティ・フオン会長は次のように語りました。
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「現在、私たちはもち米「カウ・タン・ドン」を使って様々な製品を生産するための3つのクラブを結成しました。一つのクラブのメンバーはおよそ20人です。特に、このもち米から作ったコムは女性たちの収入になります」
2021年に、タムズオン村で栽培されたもち米「カウ・タン・ドン」の総面積はおよそ100ヘクタールです。地元の行政府はもち米「カウ・タン・ドン」の価値の維持、保存に特別な関心を寄せています。毎年、ここで「コムの香り」という祭りが開催されています。タムズオン村人民委員会のホアン・ザン・ナム副委員長は次のように語りました。
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「私たちはこの祭りを開くのはこれをのちに観光製品に開発するためのものです。2023年をめどに、もち米「カウ・タン・ドン」のブランドを観光活動に取り入れる目標に取り組んでいます」
2018年、もち米「カウ・タン・ドン」が知的所有権管理局により、地理的表示として登録されました。もち米が地理的表示に登録されるのはベトナムで初めてのことです。1キロ3万5千から4万ドン(約2千円)で販売されているこのもち米は地元の人々に高い経済的価値をもたらし、住民の生活改善に貢献しています。