イェンバイ省ギアロ県ムオンロー野原は肥沃な土壌に恵まれ、豊かな伝統的文化がある様々な少数民族の居住地です。山岳地帯にあるもののこの地区の地形は平らで、野原になっています。
イェンバイ省の省都イェンバイ町から西へ80キロ離れたところにあるムオンロー野原はギアロ町とバンチャン県に位置します。ムオンロという田畑の大きさはディンビェン省ムオンタイン野原についで、北部山岳地帯にある野原としては2番目のものです。
ムオンロ田畑は17の少数民族の人々の居住地で、その中で、最も多いのはタイ族です。タイ族の伝説によりますと、昔、タイ族の兄弟2人が居住地を探した時、兄はムオンロー田畑に、そして、弟はムオンタイン田畑に住み着くことにしました。バンチャン県フーニャム村に住むタイ族の一人ハー・ティ・トゥ ( Ha Thi Thu) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ムオンロ田畑の総面積は3000ヘクタールです。一年に稲を2回栽培する2期作をしています。気候に恵まれることから、毎年、豊作で、地元の住民の生活が日増しに改善されています。近年、稲が実る季節になるムオンロ地区を訪れる観光客が大勢います」
ムオンロ地区に住む黒タイ族の人々は豊富な天然資源に恵まれることから、多様な飲食文化を持っています。この地区に足を運ぶ観光客は魚のおこわという料理を味わうことができます。この料理の食材は地元の谷川で獲れた魚をバナナの花、ネギ、生姜、ニンニク、レモングラス、各種のハーブにもち米の粉などを加えて作ったものです。
五色のおこわ
その他、乾燥肉、焼いた肉などもありますが、最も特別な料理はタイ語で「カウカム」という五色のおこわです。このおこわは色々な山菜と木々の根から取った出し汁に浸して、着色したものです。ムオンロ地区の人々はこのおこわは5枚の花びらを持つバン( Ban) という花の形で並べれます。ギアロ町ギアン村に住む黒タイ族のディウ・ティ・シェン( Dieu Thi Sieng) さんは次のように語りました。
(テープ)
「五色おこわにある赤は渇望を、紫色は肥沃な土壌を、黄色は豊かさ、緑のおこわは北西部の森林、白は一途の愛を表わします。このおこわを通じて、タイ族は幸福で豊かな生活への希望を示しています」
タイ族の伝統的舞踊スエ
ムオンロ地区を訪れる観光客はタイ族の伝統的舞踊スエを地元の人々と踊ることができます。スエ踊りはタイ族の人々の生活における欠かせない精神的な糧となっています。イエンバイ省ギアロ町に住むロー・バン・ビェン( Lo Van Bien) さんは次のように語りました。
(テープ)
「スエは老若男女を問わず、人間関係を緊密化させるものです。スエには高い平等性があるので、タイ族の結婚式、新築祝いなどすべての行事にスエがなければ、成功しないとされています」
一度ムオンロ地区に足を運べれば、観光客はスエ踊りに参加したり、おいしい料理を味わうなど素晴らしい一時を過ごせることでしょう。