カイラン（Cai Rang）水上マーケットはメコンデルタ最大の水上マーケットです。カントー市から6キロ離れたところにあり、市内の船着き場からボートで30分ほどの距離です。この水上マーケットはメコンデルタの独特な文化を示すだけでなく、カントー市に足を運ぶ観光客にとって見逃すことができない観光スポットの一つです。

現場の音

カイラン水上マーケットは20世紀始めに形成され、4本の川を交差するところに位置しています。1990年代に、この水上マーケットが元の場所からおよそ1km離れた所にあるより広い所に移されるようになりました。カイラン水上マーケットにおける船のこぎ手の一人ブー・リンさんは次のように語りました。

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「昔、この地区に住む人があまりいませんが、ここを通過する人々はここに集まって、米、塩、果物、野菜などを交換しました。徐々にここで人が込んできて、市場になりました」

カイラン水上マーケットは毎朝3時から正午まで開かれ、ピークは5時～8時頃までです。マーケットは正午まで行われますが、船の数は徐々に少なくなってきます。水上マーケットには大型の船と小型の手漕ぎボートが行き交っています。大型の船は卸売の船で、小型の手漕ぎボートは日用品、食べ物などを売る小売の船です。ハノイの観光客の一人グェン・チュオン・ソンさんは次のように語りました。

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「カイラン水上マーケットの独特なことの一つは卸売の船に長い竿に自分たちの取り扱っている商品を吊るして旗（目印）を立てているということです。この旗を見ると、お客さんはその船が何を販売しているかがすぐに分かります。この水上マーケットで売られている果物の種類は豊富で、何もかも新鮮です。

その他、水上マーケットでは様々な食べ物も売られています。また、お客さんは南部の民謡ドンカータイトゥを楽しむこともできます。もう一度カントー市に足を運ぶならば、この水上マーケットに行きます」

昔、水上マーケットに行く小舟は手漕ぎのものですが、現在はエンジン付きのものとなってきました。そのため、この水上マーケットではガソリンスタンドもあるのです。観光ボートを経営しているグェン・ティ・ゴック・ガ( Nguyen Thi Ngoc Nga) さんは次のように語りました。

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「夏とベトナムの伝統的旧正月テトが近づくとこの水上マーケットに行く観光客が増えています。私は観光客を乗せる船3隻を経営しています。観光客が最も多い時間帯は朝5時の時です。マーケットに行く時間は2時間ぐらいです。

このようなカイラン水上マーケットは旅行ガイドブックを発行するイギリスの会社であるラフガイドにより、世界で最も印象的な市場のトップテンの一つとして選ばれました。youramazingplaces というウエブサイトはアジアで最も見事な水上マーケットのリストを発表し、その中で、カイラン水上マーケットがあります。そして、2016年3月、この水上マーケットがベトナム文化スポーツ観光省により国家の無形文化財として認定されました。