クチの地下トンネルはホーチミン市から北西への40キロほどの所にあり、アメリカ帝国主義者との戦いにおけるベトナム人民軍の兵士と地元の住民の勇敢な精神のシンボルとされています。全長200キロ以上もトンネルが掘られ、アメリカ軍に対するゲリラ作戦の拠点でした。今日、クチの地下トンネルは国内外の観光客にとって魅力的な観光地となっています。
(テープ)
「私達の目の前には解放の村の門です。門の前にはゲリラが落とし穴などのトラップを設置します。両脇には運河があります。」
ガイドさんの案内の下、クチの解放の村を訪れるならば、抗米救国闘争時代における地元の住民の生活が理解できます。しかし、観光客に最も深い印象を与えるのは地下に掘られたトンネルです。中入ると、会議室、病院、食堂、台所まで備わっています。
現場の音
現在、クチ村を歩けば平和なベトナムの日常が体感できますが、30年数前までここベトナムでは激しい戦争が展開されていました。
ハノイからの観光客トゥ・フォンさんは次のように語りました。
(肉声のテープ)
「クチの地下トンネルに足を運ぶのは今回が初めてですが、地下の中でこのようなトンネルが掘られたことに驚きました。人間がこのような小さいトンネルの中で生活を送ったり、革命活動を行ったりしたことが想像できません。世界でこのような地下トンネルがあるのはベトナムだけだと思います」
ハノイからの観光客トゥ・フォンさんは次のように語りました。
現場の音
クチの地下トンネルには地下3メートル・5メートル・8メートルの3階構造で内部に作戦会議室や台所・病院がありました。この中に入るには腰をかがめて這うようにしないと進めません。周囲は、大きな木が繁っていて所にあり、上からは一切見えず、また地下で食事の火を焚いても煙が地上に上がらないよう3重に覆れていたり、落し穴の底にはとがった鉄の棘がほどこされているなど、込み入った地下トンネルとなっています。クチの地下トンネルを初めて訪れたカンボジア人観光客であるチア・チェンさんは次のように語っています。
(肉声のテープ)
「私は国を解放する為の闘争におけるクチ村の勇敢さに深い印象を受けています。ベトナムは愛国心を持って、近代的な武器を備えたアメリカと戦い、勝利を収めました。これはベトナム民族の誇りだと思っています。」
カンボジア人観光客であるチア・チェンさんは次のように語りました。
戦争中の長い期間に、アメリカ軍は様々な手段でこのクチの地下トンネルを連続して攻撃しましたが、クチ村の住民と人民軍兵士の頑強不屈の精神により、アメリカ軍の陰謀は失敗に終わりました。しかし、この勝利を収めるには数多くの人々の命が奪われました。平和の生活の為、身をささげた人々の名前がクチ村にある慰霊塔に刻まれています。クチ遺跡地区の案内人であるボー・ティ・ヒェンさんは次のように語りました。
(テープ)
「この慰霊塔には犠牲になった44752人の名前が刻まれています。しかし、毎年4月30日の南部完全解放の日や、9月2日の独立記念日などの行事に、犠牲になった人々の名前が加わります。その他、名前のない犠牲者も多く残っています。毎日、大勢の人々がこの遺跡を訪れます」
ボー・ティ・ヒェンさんはこのように語りました。
現在、クチの地下トンネルは魅力的な観光地となっています。この地下トンネル遺跡の入場券は1米ドルです。リスナーの皆さん、ホーチミン市に足を運ぶチャンスがありましたら、必ず、クチの地下トンネルを訪れてみてください。