(VOVWORLD) -ゲンチェ湖は北部タイグエン市中心部から南へおよそ20キロ離れたところにあるソンコン市ビンソン村に位置しています。この湖はタイグエン省の人気のエコツーリズムスポットとなっています。
人工湖であるこの湖の総面積は約80ヘクタールで、50以上の小島と半島に囲まれています。澄んだ湖面、連なる山々、そして青々とした森林が織りなす風景は、まるで絵画のような美しさを誇っています。
特に早朝に霧が湖面をやさしく包み、まるで水墨画の世界に迷い込んだような幻想的な景色が広がります。午後には太陽の光が湖に反射し、まるで昔話のようなきらめきを見せてくれます。ゲンチェ湖のコミュニティ観光協同組合の組合員の一人であるファン・バン・チンさんは、次のように語りました。
(テープ)
「ゲンチェ湖の水源はタムダオ山脈に由来していることからミネラルが豊富なんです。そのため、湖で獲れる魚は周辺の湖より高い価格で売られています」
現場の音
ゲンチェ湖を訪れる観光客は、ボートで湖を一周し、小島を巡り、広がる茶畑を眺めることができます。また、本場タイグエンの緑茶を味わい、ソンコン市の人々の素朴で温かいもてなしを受けることができます。
また、ゲンチェ湖を探索する観光客は全長約400メートルにおよぶ堅牢なダムを訪れることができます。夏になると、ダムから水が流れ落ち、見事な滝の風景を演出します。さらに、観光客は湖内にある魚の生簀(いけす)養殖施設も見学できます。
そのほか、地元には炭火焼き鶏、揚げた川エビ、竹の葉で包んだ蒸し豚肉など郷土料理を味わうこともできます。
ゲンチェ湖周辺には、長い歴史と独自の文化を現在も大切に守り続けているタイ族、ヌン族、サンジュ族、キン族といった複数の民族が暮らしています。これはコミュニティベースド観光を発展させるための貴重な資源となっています。そのため、2019年に「ゲンチェ・コミュニティ観光協同組合」が設立されました。現在、この協同組合の19名のメンバーが、観光や宿泊サービス、湖内の水上輸送、伝統文化体験といった多岐にわたるサービスを手がけています。この地で長年観光振興に尽力してきたファン・バン・チンさんは、次のように語りました。
(テープ)
「2019年から、ソンコン市の各部門や機関が私たちに観光活動を運営するよう提案したほか、全面的に支援してくれました。今後も、より持続可能なかたちでゲンチェ湖の観光を発展させていきたいと思っています」
現在、ゲンチェ湖では、すでにホステル型のホームステイ施設やレストランが整備され、観光地としての基盤が着実に整いつつあります。「エコ・リゾート型都市エリア」としての発展を目指し、今後、ホー・ヌイコック国家観光区や、タイグエン省内の他の地域とのインフラ接続が進められる予定です。
これにより、近い将来、ゲンチェ湖はタイグエン省を代表する魅力的な観光拠点となることが期待されています。この地域の観光展望について、タイグエン省観光振興センターのグエン・タイン・ルアンセンター長は次のように述べました。
(テープ)
「ゲンチェ湖のコミュニティ観光地には、すでに観光客を受け入れるためのインフラが整っています。ここでは湖上クルーズや、まるでダラットを思わせる松林の見学、さらにキャンプ体験など、自然と地元文化に触れることのできる魅力的なサービスが揃っています。」
豊かな自然とアクセスの良さを兼ね備えたこの地域は、国内外の観光客にとって理想的な訪問先として注目を集めています。中部ゲアン省からの観光客であるボー・ティ・タムさんは次のように述べました。
(テープ)
「ここは“ポテンシャル”という段階を越えて、すでにコミュニティ観光が効果的に運営されていることを実感しています。広くプロモーションが行われれば、多くの観光客を惹きつけるモデルになると思います」
現在、タイグエン省では、タンクオンの茶畑やホー・ヌイコック観光地と並び、ゲンチェ湖が自然豊かな観光スポットとして注目されています。湖のほとりには手つかずの自然が広がり、新鮮な空気が満喫できるこの場所は、都市の喧騒から離れ、心身をリセットしたい旅行者にとって、まさに理想の“癒しの地”となりつつあります。