北部山岳地帯ハザン省に足を運ぶ観光客は秋はそばの花、春は桃の花を存分に眺めた上で、山の頂上からベトナム北西部の壮大な風景を一望できます。ハザン省を訪れたことのある人々はだれもここに残されているドンバン旧市街に足を運ぶことを望んでいます。
ハザン省の中心地からさらに国道に沿って、160キロ走るとドンバン町に着きます。この町には今も旧市街が残されています。20世紀初頭にこの町には小さいもので、人口としては少数民族テイ族、ホア族、モン族数世帯しかありません。
1920年、フランス人はこの町の家屋のほとんどを再建し、昔の建築も改良されました。新しく建てられた家屋は石造りのもので、丈夫な柱が使用されています。特に、家の軒先には提灯がぶら下がっていました。石造りの家の他、ドンバン町には土壁の家も建てられました。旧市街にある土壁の家の所有者の一人であるルオン・フィ・ゴ(Luong Huy Ngo)さんは次のように語りました。
(テープ)
「この家には夏は涼しく、冬は暖かいです。壁の厚みは85センチになるところもあります。この家を建てる時、土壁を作るグループと柱を作るグループが別々に雇われました。現在、このように大きな柱を探すのはとても難しいです。土壁を作るグループは6人で土壁を作るには少なくとも1ヶ月間かかります」
ドンバン旧市街を後にして、100キロほど行くとブオン族旧家の遺跡地区、別名:ミャオ王官邸)に着きます。一方は高い山、一方は深い盆地の道路を行き、遠くからでも、このブオン族旧家を見えます。敷地面積およそ1200平方メートルのこの旧家は高い岩石で囲まれています。この遺跡地区のガイド ブオン・テイ・チョ( Vuong Thi Cho) さんは次のように語りました。
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「この家の建設費は巨額でした。これは熟練職人と建築家を雇う費用だけで、材料代はすべて地元にありました。この石は銀でメッキされています」
ブオン族旧家の中には応接間、暖炉ある部屋やプールなどもあります。また、厳しい気候と複雑な社会環境にあるため、ブオン族はこの官邸を砦のように丈夫に建設しました。また、この家の後ろには雨水を備蓄するための石製の水槽が置かれました。ブオン・ティ・チョ( Vuong Thi Cho) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ハザン省のドンバン岩石高原がユネスコにより世界地質学公園として認定されてから、この遺跡を訪れる観光客は日増しに増えてきました。1ヶ月平均およそ3000人の観光客を迎えます」
長い歳月が経ながらも、ブオン族旧家は昔のままの姿が保たれています。ドンバン旧市街と共にブオン族旧家はハザン省に足を運ぶ観光客にとって見逃すことができない見所となることでしょう。