フエの伝統工芸を保存するルックボ文化センター

(VOVWORLD) -ベトナム中部トゥアティエン=フエの省都フエ市にあるトアンタイン地区グエンチージエウ通り79番地には6つの省庁という意味のルックボ文化センターがあります。

このセンターは19世紀から20世紀にかけてベトナムに存在したベトナム封建時代の最後の王朝であるグエン(阮)朝の6つの省庁が置かれた地区に設置されています。

フエの伝統工芸を保存するルックボ文化センター - ảnh 1(写真:VOV)

グエン王朝時代、この6つの省庁はグエン朝の形成、発展、衰退と密接につながり、重要な役割を担っていました。時が経つにつれて、かつてグエン王朝の6つの省庁の本部が置かれた建築物は破壊が深刻になっていました。

2005年に、古都フエ遺跡保存センターはルックボ地区に残された建築物の管理を開始しましたが、2015年に、同センターは、これらの建築物の改修や、文化サービス活動の運営等をフエ遺跡サービス開発センターにするよう依頼しました。

現在、この文化センターではグエン王朝時代の6つの省庁に関連する品々が展示されているほか、フエの伝統職業村が生産したアオザイや提灯、タコが紹介されています。特に、ここでは、フエの伝統職業村の職人が伝統工芸品づくりを実演しています。菅笠「ノンラー」を生産する職業村の職人の一人グエンテイガイさんは次のように語りました。

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「この仕事はおばさんから伝えられたものです。菅笠の原材料はモモタマナの葉のほか、竹があります。森でモモタマナの葉を採ってから、2か月間水に浸し始めて使えるようになります」

今からおよそ300年前、フエでノンラーを作る工芸が生まれたと言われています。フエ市では通常のノンラーのほかに、葉が2層になっていて間に切り絵を挿入したノンバイトーと呼ばれる伝統的工芸品があります。ノンラーを作る職人はノンラーに労働力と時間を費やすだけでなく、心を込めて作っています。観光ガイドヌー・クインさんは次のように語りました。

(テープ) 

「ここはフエの伝統工芸を実演する空間です。あそこの職人たちは、ノンラーを作っています。こちらはペーパーフラワーを作っているタンティエン村の職人です。紙の花は、家に飾られるほか、祭壇や寺院などのお供え物として使われるから、古都のフエを始め、周辺に住む人々は、テトの時に、紙製の花を買い求めるのです」

フエの伝統工芸を保存するルックボ文化センター - ảnh 2(写真:hanoimoi.com.vn)

ルックボの文化空間にはノンラーや編み物、フエの伝統的お餅などを紹介するほか、グエン王朝時代からのお茶を楽しむ空間も設置されています。

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「昔からフエにはジャスミン茶、ハス茶など多くの種類のお茶があります。これらのお茶は鎮静効果、抗不安作用などの効果があるそうです。ジャスミン茶にはリナロールという鎮静効果、抗不安作用、抗殺菌作用の効果のある成分が含まれています。昔、各地の最も美味しいお茶が王様に献上されます」

ルックボ文化センターではフエの伝統工芸の生産工程の実演に参加したり、美味しいお茶を味わったり、と素晴らしい体験ができることでしょう。

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