(VOVWORLD) -ティエンムー寺(別名リンムー寺)は、「天姥の寺」との意味があります。ティエンムー寺は中部トゥアティエンフエ省の省都フエ市キムロン地区に位置しています。
ティエンムー寺はフォン川の湖畔から石段を上がった小高い場所に1601年に建てられました。フエ最古の寺院「ティエンムー」はフエ市のシンボルの一つとされています。
伝説によりますと、昔、この小高い場所で、夜になると老婆が出てきました。その老婆は「この地にいずれ真の支配者がやってきて、塔を建てるだろう」と予言していました。この塔は霊気と龍脈を集める場所に建てられるとのことです。
そして、16世紀に、当時の皇帝グエンホアンがこの地に訪れた際、村人から老婆のお告げを聞きました。これがティエンムー(天姥)の寺の由来です。その老婆は実は天姥だったのではないかと言われているため、天姥の寺とも呼ばれています。
このお寺の霊気を理解して、故郷から遠い所に住んでいますが、フエ市出身のグェン・タイン・ダット( Nguyen Thanh Dat) さんは年に一度帰省して、ティエンムー寺を参りに行きます。
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「毎年、旧正月テトがやってくると、ティエンムー寺を参拝に行きます。このお寺を参拝すると、心が安らかになります。心配ごとも消えてしまうような感じがしています」
ティエンムー寺は古都フエの独特な建築様式によって建てられています。ティエンムー寺の正門となるのは中国の王宮を倣した3つの門です。塔の先には中国の影響を強く受けた立体的な護神像がおり、門を守っています。
この正門をくぐるとすぐに見えるのが、「フォク・ズェン」という八角の塔です。フエのシンボル的存在で、旧市街の遠くからでも見渡すことができます。煉瓦造りのこの塔は7層で、1844年に建立されました。各層に仏像が安置されています。約2トンの大きさの鐘があり、鐘の音は遠くまで届くといわれています。
この塔を通過すると、本堂に着きます。中には仏像が祀られています。この本堂には銅製の大きな鐘があります。北部ハイズオン省の観光客ファン・ゴク・トェン( Phan Ngoc Tuyen) さんは次のように語りました。
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「ティエンムー寺を訪れるのは今回が初めてです。このお寺はロマンチックな風景があるフオン川の岸にあるため、本当に美しいです」
特に、1963年にサイゴン政府に仏教の弾圧を抗議して焼身自殺した住職の車がこの寺の一角に置いてあります。ティエンムー寺は、修行中の僧侶の姿をみることができます。お寺は400年以上の古い歴史を持ち釈迦を祭った典型的な仏教寺です。フランス人の観光客 アラン・マイロションさんは次のように語りました。
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「ベトナムは本当に素晴らしい国です。フエに行くのは今回が初めてですが、3日間滞在しました。フエの風景は古きしく、落ち着いて、平穏です。」
観光客はティエンムー寺を訪れると昔の世界に迷い込んでしまったようになる感じをしています。心の中のすべての痛みを忘れさってくれるように感じるのだといいます。