バクニン省クエボ県にあるフーラン村はハノイから60キロ離れたところにあり、北部昔から北部の有名な陶芸の村として知られてきました。この村ならではの茶褐色の陶器は全国で知られています。
史書によりますと、フーラン村の陶芸の創始者はリュフォントゥさんです。李王朝時代末に、当時の朝廷はトゥさんをベトナム大使として中国に派遣しました。その際、トゥさんは陶芸の技能を身に付けました。帰国してから、トゥさんは国内の人々にその技を教えました。陳王朝時代の初頭(13世紀頃)、この陶芸がフーラン村に伝えられたのです。今年70歳になったチャンティザンさんによりますと、幼い頃から、村のすべての人々は陶芸に従事しており、陶芸品を各地に売りに行っていた光景を目にした」と明らかにし、次のように語りました。
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「私は13歳の時から、陶器を作りました。その時、土をこねたり、ロクロで形を整えたりすることができました。昔、我が家は大きな壷を作りました。昔は陶器を作るのはすべて手作業でしたから、今より大変でした。今は電動ろくろで作るから大分楽になりました。」
バッチャン陶器は白土を原料にしますが、フーラン陶器はこの地から取られた赤土を原料にしています。フーラン村の陶芸家であるファム・バン・タインさんは次のように語りました。
(テープ)
「フーラン村の陶器の特徴は素焼きのもので、陶器作りには機械を使いません。すべては手作業で行い、釉薬も自分で作ります。」
フーラン村陶器作りにおける重要な工程の一つは陶器を焼き上げることです。現在、フーラン村では、燃料は石炭ではなく、薪で陶器を焼き上げます。これにより、陶芸品には独特の色が現れるようになります。先ほどのフーラン村の陶芸家であるファム・バン・タインさんはフーラン村の陶器の美しさは質素で、土と火が微妙に調和されることになる」と明らかにし、次のように語りました。
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「フーラン村の陶器を焼く窯は他の陶芸村のものと違います。例えば、北部クァンニン省ドンチェウ村の陶器は高い熱度を必要とします。そして、バッチャンの陶器はガスで焼き上げられます。しかし、フーラン村の陶器は薪で焼き上げられ、職人が自分の目で火を見守ったり、火加減を調節します。誰でもが焼き上げることはできません。火加減は職人の経験と感覚によるものなのです。」
現在、フーラン村の陶芸品の種類は豊富になり、国内外の消費者に知られるようになりました。日本、韓国、カナダ、イタリアからの予約がたくさんあります。これにより、フーラン村の人々の生活水準も日増しに改善されてきました。
フーラン村の人々は子供たちに自らの伝統工芸の維持、発展のための意識を教育しています。フーラン村出身のレ・バン・ホァンさんはハノイ美術大学を卒業したばかりですが、11年間にわたり、陶芸に従事してきました。ホアンさんの話です。
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「私はフーラン村に生まれました。私は陶芸が大好きです。これはわが村の伝統工芸ですから、今後、この工芸で生計を立てます。私は村の伝統工芸の維持、発展のために頑張ります」
現在、フーラン村はバクニン省の観光スポットの一つとなってきました。この村を訪れると、陶芸作品作りを体験できるだけでなく、ベトナム北部の典型的な農村風景に身を置くことができます。機会がありましたら、ぜひ一度フーラン村に足を運んでください。