世界ジオパークに認定された「ノンヌオック・カオバン」

(VOVWORLD) -ベトナム北部山岳地帯にあるカオバン省の「ノンヌオック国立地質公園(ジオパーク)」が4月12日、ユネスコ=国連教育科学文化機関の「世界ジオパーク」に認定されました。

壮大な自然風景がある他、ユネスコにより認定された世界ジオパークの称号はカオバン省が観光を発展させるチャンスとなることが期待されています。

カオバン省のノンヌオック・ジオパークは、ハノイ市から北へ300kmに位置し、カオバン省ハークアン県、チャーリン県、クアンウエン県、チュンカイン県、ハラン県、フックホア県のほか、ホアアン県、グエンビン県、タックアン県の一部にまたがる面積3000平方キロメートルです。同地域にはティー族(Tay)、ヌン族(Nung)、フモン族(H’Mong)、キン族(Kinh)、ザオ族(Dao)、サンチャイ族(San Chay)など6つの少数民族が暮らしています。この他、カオバン省はアジア最大かつ世界に4番目に大きい滝である「バンゾックの滝(Ban Gioc)」があることでも知られています。

世界ジオパークに認定された「ノンヌオック・カオバン」 - ảnh 1 バンゾックの滝

ノンヌオック・ジオパークは2015年に誕生し、2016年11月にカオバン省がユネスコへ世界ジオパークへの登録を申請していました。ベトナムで世界ジオパークに認定されたのは2010年に認定された北部山岳地帯ハザン省の「ドンバンジオパーク」に次いで2か所目となります。

同ジオパークは化石や海洋堆積物、火山岩、鉱物、特に石灰岩の地形からは5億年前の地球の進化と変化を遂げた歴史を知ることができ、遺産に値すると評価されました。また、同地域は多様な生態系を持ち、植物や動物の固有種を有することでも知られています。

ユネスコ駐在ベトナムのチャン・ティ・ホアン・マイ大使は次のように語りました。

(テープ) 

「ユネスコの専門家によりますと、このジオパークは世界ジオパークとして認定されるすべての指標を十分に持っています。現在、このジオパークには地質的遺産130箇所があり、その中で、貴重な価値があるものがあります。その他、ここには景観、生物的多様性、伝統的文化などの価値があります」

また、カオバン省のノンヌオック・ジオパークには地質学の価値があるほか、多くの歴史的遺跡があります。その中で、パックポーという特別な遺跡があります。この遺跡は故ホー・チ・ミン主席が1941年に30年間の海外生活を終えてベトナムに帰国した時、そこで生活を送りながら、革命を指導した場所です。そして、このカオバン省で、1944年に故ボー・グエン・ザップ将軍が現在のベトナム人民軍の前身であるベトナム解放軍宣伝隊を結成しました。

世界ジオパークに認定された「ノンヌオック・カオバン」 - ảnh 2

カオバン省のノンヌオック・ジオパークの価値を維持、発展させるため、カオバン省はインフラ整備への投資を行う他、観光分野に携わる人材育成に全力を尽くしています。これと同時に、このジオパークをピーアールすることを強化しています。カオバン省人民委員会のホアン・スアン・アイン( Hoang Xuan Anh) 委員長は次のように語りました。

(テープ)

「私達はこのジオパークの維持、発展と地元の経済社会の持続的発展を両立させることを重視しています。私達はユネスコと世界ジオパークネットワークの要求に従って、このジオパークを管理する計画を作成します。具体的には、インフラ整備への投資、人材育成の強化、このジオパークの保護に関する地元の人々の意識向上を目指す宣伝教育、科学シンポジウムの開催などを行います。

ユネスコがノンヌオック・ジオパークを「世界ジオパーク」に認定したことにより、カオバン省が観光発展への投資を呼びかけてゆくことが期待されています。

なお、現在までに「世界ジオパーク」に認定されている数は世界35か国ジオパーク127か所にとどまっています。これはベトナムの豊富な地質的価値を示すと共に、ベトナムの観光発展を促進するものとなることでしょう。


 

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