中部ダナン市はハン川沿いにある美しい町として知られています。この街の魅力は自然に恵まれているだけでなく、中部の多くの景勝地でもあります。その中でも、リンウン寺はダナン市の有名な慰霊の旅の観光スポットです。
ダナン市中心部から北東へおよそ10キロの所にあるリンウン・バイブット( Linh Ung Bai But)寺はソンチャ( Son Tra) 半島に位置します。海抜およそ200メートルにあるこの寺の後ろは山があり、前は海に面しています。この寺からダナン市内を一望できます。
リンウン寺のティク・ティン・グェン上座の話によりますと、ミンマン(明命)(Minh Mang)王の時代に、地元の漁民は砂浜で仏像を見付けたため、ここに仏像を祭る社を建てました。それ以来、観音菩薩は海で遭難した人を救い、海が穏やかになり、漁民は安心して漁ができるようになりました。しかし、フランス植民地主義者との戦いの時代に、その仏像は破壊されました。そして、2004年、ティク・ティン・グェン上座は仏教の信者の寄付金により、このリンウン・バイブット寺を再建しました。ティク・ティン・グェン上座は次のように語りました。
(テープ)
「バイは砂浜、ブットは仏で、バイブットとは「仏の砂浜」という意味です。海で災難に遭ってもこの砂浜に無事につきます」
リンウン・バイブット寺を訪れる観光客は聖なる世界に迷い込んだような感じになります。寺の境内には18人の菩薩像があり、それぞれが異なった顔をしています。これらの菩薩像はリンウン・バイブット寺の風景の美しさを彩っています。ハノイからの観光客ハーミンクアンさんは次のように語りました。
(テープ)
「ダナン市のリンウン・バイブット寺を訪れるのは今回が初めてです。ここは神聖な所だと思います。ここから山も海も見渡すことができ、叙情的な風景です。ここに来ると落ち着きます。5~6キロメートルの遠い所からでも、この寺の仏像が見えます。このような大きな仏像を目にするのは今回が初めてです」
リンウン・バイブット寺には高さ67メートルの観音菩薩の像が安置されています。完成した時点で東南アジアで最も大きな仏像とされていました。リンウン・バイブット寺に参拝する人々は心の不安を忘れるような感じがします。ダナン市民のグェン・ティ・フォン( Nguyen Thi Phuong) さんは次のように語りました。
(テープ)
「この寺へお参りに行くのが好きです。毎月旧暦の1日と15日にはこのお寺に行きます。お寺の美しい風景を見ると、心が穏やかになります」
ダナン市の漁民は日夜を問わず、海の遠い所から観音菩薩の像を見ます。この像を見ると、漁民は台風の時など、いつも安心感を持てるようになります。ダナン市ソンチャ地区の漁民 フィン・バン・トゥ ( Huynh Van To) さんは次のように語りました。
(テープ)
「私の心の中には観音菩薩は重要な意義があります。沖合いで漁をする時、思いは観音菩薩にすがって、大漁を祈ります。観音菩薩は私たちを見守ってくれると思います」
また、リンウン・バイブット寺の前にあるバイブットというビーチはソンチャ半島の最も美しいビーチと言われています。このビーチは自然の美しさを愛好する観光客を虜にしています。ダナン市の経済は急速に発展していますが、リンウン・バイブット寺は落ち着いた雰囲気に包まれています。これは本当に魅力的な「慰霊の旅」と言っても過言ではないでしょう。