ベトナムとフランスの両政府によって提唱されたフエフェスティバルは、2000年に初めて開催されました。それ以来、フエフェスティバルは２年毎に開かれています。現在、中部フエ市はベトナムのフェスティバルの都市として知られています。

初めて開催された２０００年のフエ・フェスティバルにはベトナムとフランスのアーティストや俳優などおよそ１千人が出演しました。フエ・フェスティバルの開催中、合わせて４１万人が参加しました。

そして、２回目となる２００２年のフエ・フェスティバルではフランス、中国、日本、韓国、インドネシア、タイ、ラオス、カンボジアから３３の芸術団と国内のおよそ１５００人のアーティストや俳優が上演しました。

これまで１０回にわたり開催されたフエ・フェスティバルは世界の５０カ国と地域の芸術団の出会いの場となりました。これは世界におけるフエ・フェスティバルの地位の確立につながっています。ハノイ国家大学人文社会科学大学観光学部のグェン・トゥ・トゥイ( Nguyen Thu Thuy) 副部長は次のように語りました。

（テープ） 

「フエ・フェスティバルはベトナムで開かれているフェスティバルの中で、が最も長い歴史があります。その他、フエ・フェスティバルの開催がフランス、イギリス、オーストラリアのフェスティバルの開催に関する経験を基礎に開かれることから、世界的なものだとも言えます」

首都ハノイから南へ６７５キロ、ホーチミン市から北へ１０６キロ 離れた中部フエ市は自然条件、伝統的文化などあらゆる面において、フェスティバルの都市としての条件を十分に整えています。フエ市を訪れている観光客レ・テイ・マイ( Le Thi Mai) さんは次のように語りました。

（テープ）

「フエ市は古い町ですが、フェスティバルの都市として有利な条件に恵まれています。この都市は多くの観光客を引き付けているからです」

古都フェはトアティンフェ省の省都で、19世紀から20世紀にかけて、ベトナムに存在していたグェン朝の都として栄えました。1993年、古都フェの遺跡群がユネスコ＝国連教育科学文化機関により、世界文化遺産として認定されました。

古都フェ遺跡群の中には1085年にグエン（阮）王朝時代のミンマン王が建設した王宮が代表的な見所です。200年もの歳月を経た今もなお、この王宮には140の施設が昔のまま保存されています。フエ遺跡群はフエ・フェスティバルが行なわれる舞台となりますが、フェスティバルを通じて、フエ遺跡群の価値が広く紹介されるようになりました。

これまでに開かれたフエ・フェスティバルの成功を基礎に、政府はフエ市をベトナムの代表的なフェスティバルの都市として構築することにしました。フエ市市民の一人レー・タイン・ハ( Le Thanh Ha) さんの話です。

（テープ）

「フエ市は元々古都ですが、フエ市をフェスティバルの都市に発展させ、伝統的文化を維持、保存しながら、人類の文化の真髄を受け入れ、そして、フエ市民がその発展から利益を受けることができればと思います。」

ベトナムの初めてのフェスティバルの都市となったフエ市は観光発展に多くの有利な条件に恵まれています。今後も、観光がこの都市の先端的経済部門となり、中部を含め、ベトナムの観光発展に貢献してゆくことでしょう。