タムダオ山脈といえば、多くの人がまず思い浮かべるのは、ビンフック省にある霧に包まれた町でしょう。しかし、タイグエン省ダイトゥ県に広がるこの山脈の東側の斜面には、まったく異なる世界が隠されています。そこは、手つかずの自然がそのまま残された、トレッキング愛好家にとって挑戦しがいがある場所です。

東タムダオ山脈を目指すトレッキング客（写真：Ngọc Linh/thainguyentourism.vn）

現在、東タムダオ山脈を目指すトレッキングコースは、主にラバン村、または、キーフー村から出発します。参加者は、原生林を縫うように進み、滝や岩の多い小川、苔むした急な斜面を越えながら、大自然の奥深くへと足を踏み入れていきます。

東タムダオ山脈のトレッキングコースは変化に富み、時に緑の草原の中を通過する赤土の道、また時には、登山スキルを試す滑りやすい岩場などです。トレッキングコースには透明で冷たい水が、一年中さらさらと流れ続けているケム渓流や「森の中にたなびく銀の帯」と称されるタクチャン滝、そして最終目的地は、三段に分かれて落ちる壮大なドンティエン滝があります。

今回、初めて東タムダオ山脈の自然に触れたハノイからのトレッキング客、グエン・バン・クアンさんは次のように語りました。

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「今回、ラバン村のタクチャン滝を初めてトレッキングしました。私にとって、このルートは無理のないちょうど良い難易度でした。ここの山と森の風景は手つかずのもので、本当に涼しくて気持ちがいいです。標高500メートルのこのタクチャン滝は、本当に美しいです」

3時間のトレッキングを終えたレ・クアン・トゥアンさんは、次のように語っています。

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「森の入口からここまで、たった3時間のトレッキングでしたが、本当にワクワクする体験でした。冒険を求める若者にはぴったりの場所だと思います。ここに来られて、本当に最高でした」

東タムダオ山脈を目指すトレッキング客（写真：Thế Hùng/VOV）

東タムダオ山脈の麓で、トレッキングのほか、多彩な体験があります。深い森の中でキャンプを楽しんだり、滝での水浴びをしたり、地元の人々と触れ合うコミュニティツーリズムを行ったりするなどです。また、山の鶏料理、竹筒ごはん、バナナの葉で包んだ焼き豚など、地元ならではの味を堪能できます。

現在、ラバン村やキーフー村の周辺には、環境と調和した清潔で快適なホームステイやファームステイが多数整備されています。トレッキングツアーには、地元の自然や地形に精通したガイドが同行し、安全かつ興味深い旅をサポートしてくれます。

タイグエン省観光情報促進センターのグエン・タイン・ルアン所長（写真：Thế Hùng/VOV）

タイグエン省観光情報促進センターのグエン・タイン・ルアン所長は、今回のツアーについて次のように語っています。

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「このトレッキングツアーでは、地域コミュニティと連携した新しい形の観光商品を開発する目標を設定しています。これはタイグエンにとって新たな挑戦であり、今後、さらに発展することを期待しています」

一方、東タムダオ山脈の麓は単なる観光地ではなく、東北地方の“緑の肺”としても重要な役割を担っています。ここにある多様な生態系には貴重な動植物が生息し、年間を通じて涼しく湿潤な気候が保たれています。

ここで行われるトレッキングでは、環境保護への意識を高める取り組みが行われており、ゴミを捨てないこと、自然を傷つけないこと、現地の生態系を尊重することが徹底されています。こうした努力により、東タムダオ山脈の麓の自然は、何百年も変わらぬ、手つかずの美しさを保っています。タイグエン省文化・スポーツ・観光局のレ・ゴック・リン副局長は、今後の展望について次のように語りました。

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「東タムダオ山脈をはじめ、タイグエン省の多くの地方で、トレッキング観光の発展の潜在力に恵まれています。タムダオ山の麓でのトレッキングツアーは、タイグエン観光における新しい発展の方向性を切り開くものとなることが期待されています」

手つかずの山道、雄大な滝、そして原生林に恵まれる東タムダオ山脈の麓は、冒険と挑戦を愛する旅行者にとって、まさに理想的な目的地です。特に、手つかずの自然を探している外国人観光客にとって、ここでのトレッキング体験は忘れられない思い出となることでしょう。