統一会堂は南ベトナム政権時代の大統領官邸であると同時にベトナム戦争終結のシンボルでもあります。 また、これは南部ホーチミン市の観光スポットの一つともなっています。
1962年に、サイゴン政権のゴ・ディン・ジエム大統領はフランス植民地時代のノロドム宮殿の敷地に独立宮殿を建設することにしました。この建物は、近代的建築と東洋風建築を持っており、12ヘクタールの敷地に地上3階建て、一つのテラスと地下1階で建設されています。上空から見ると、この建物は「吉」という文字になっています。
1975年4月30日11時半に、南ベトナム民族解放戦線の旗が独立宮殿の屋上に掲げられました。解放放送局の元幹部グェン・ヒュウ・チャウさんは当時を振り返り次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの軍隊が独立宮殿の屋上に旗を掲げたことを聞いた後、私はとても喜んでいました。ベトナム国旗がその辺に掲げられるということは、数多くの人々が身を捧げたのです。」
ところで、1975年11月に、独立宮殿で、南北統一に関する政治協商会議が開かれました。その後、独立宮殿は「統一会堂」と改名されました。
現在、統一会堂の正面には、青々とした緑の芝生があり、その中央には噴水があります。解放後、統一会堂では旧政権の建築様式や現物などが昔のままで保存されています。その他、ベトナム人民軍の戦車2台も庭に並んでいます。これらの戦車がこの官邸に突入して、無血入場しました。人民アーチストタンホアさんは、当時、解放軍と共に独立宮殿に入場した時刻について次のように明らかにしています。
(テープ)
「独立宮殿に入ってから、私たちは相次いで歌いました。今から戦争がなくなり、親戚の人々と出会うことが出来るようになると思うと、みな喜んでいました。」
1976年に、統一会堂は国家の特別文化史跡として認定され、ホーチミン市内の観光スポットとなりました。ホーチミン市観光振興センターのグェン・トウ・ヒエンさんは、毎日、のべ数千人の観光客が統一会堂を訪れていると明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「我が故郷に特別で重要な文化史跡があることを誇りに思っています。独立宮殿はベトナム民族の歴史上に重要な節目を記した場所の一つです。今日の統一会堂は民族大団結のシンボルです。この建物に保管されている現物や写真を通して、40年前にベトナム国民が味わった戦争についてさらに深く理解するようになりました。」
統一会堂は現在でも国賓や会議の際は実際に利用されています。 それ以外は観光客向けに一般公開されています。