(VOVWORLD) -北部山岳地帯ラオカイ(Lào Cai)省サパ(Sapa)県タフィン(Tả Phìn)村は経済社会の条件が特別困難な村です。貧困世帯の割合が6割を超えた時もありました。しかし、この数年間、タフィン村ではランの栽培のお陰で、現地の経済社会は著しく発展してきました。
サパのランは、元々森の中で自然に自生しました。旧正月テトになると、現地の人たちは、ランを持ち帰って、家に飾りました。その後、ランの花は、数多くの人々から愛用され、経済的価値の高い花となっています。ランの栽培業者によりますと、ランの栽培は、高い技術は求められないものの、厳しい季節に左右されるそうです。タフィン村は、ラン栽培に合った気候に恵まれた地方の一つとなっています。
現在、この村では、全戸636世帯のうち500戸がランを栽培しています。毎年、テトになると、国内市場に大量のランを提供しています。ラン栽培のお陰で、多くの家庭が困難な状態を乗り越え、余裕ある生活を送れるようになりました。ラン栽培業者の一人の話です。
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「私の家は主にランの栽培で生計を立てています。ランの栽培は、収入をもたらすだけでなく、現地住民に仕事を与えることに寄与しています。現在、ランの栽培運動は、この山岳地帯の全体にまで拡大されていますよ。」
その一方で、タフィン村は美しい自然風景の他、モン族や赤ザオ族などの独特文化に恵まれたことにより少数民族のサパ県における魅力的な観光スポットの一つとなっています。
他の栽培業者は「ランの花は、経済的価値をもたらす植物であり、現地の穏やかな気候で育ちやすいので、ランの栽培に巨額を拠出することにした。そのため、毎年、かなり高い収入を得るようになった。」と明らかにし、次のように語っています。
(テープ)
「私は幼い頃から、親戚の人が所有している美しいラン畑を鑑賞するたびに、好きになり、ランの栽培をしようと思っていました。それから、2010年までに、ランの栽培を始めました。現在、700鉢のランを所有しており、毎年、大量のラン鉢を出荷しています。そのお陰で、安定した収入を得るようになりましたよ。」
タフィン村人民評議会副議長によりますと、現在、村全体では、600世帯余りが合計で約3万5千個のラン鉢を栽培しています。その消費先は主に北部のハノイ、港湾都市ハイフォン市、南部のホーチミン市などです。