床掃除用洗剤や食器用洗剤、あるいは樹木用肥料などは、有機廃棄物から作られています。こうしたことは、コストの低減に寄与するだけでなく、環境保護にも役立っていると評価されています。

ホンさん＝VGP/Lưu Hương

例えば、ホンさんのやり方はかなり簡単だそうです。廃棄物となる野菜や根菜、果物などは綺麗に洗って、水分を切ってから、300グラムの砂糖を溶かした10リットルの砂糖水が入っているブラスチック製容器に入れて、30日間ほど寝かせます。その後、廃棄物を除き、2リットル程の液体だけを残します。ココナッツの実から抽出された有機化合物と混ぜてから洗剤に作ります。ヤシ油から抽出した成分は気泡力や洗浄力、感触の良さ・粘度を高めるからです。現在、ダナン市に住む約90人の女性がこうした生産方法を適応しています。ホンさんの話です。

（テープ）

「当初、経験と見識不足のため、何回も失敗しましたよ。でも、もし成功すれば、社会問題解決に役立つと思っていたので、床掃除用洗剤の生産について様々な資料を研究したり、実験を行うことにしました。床掃除用洗剤を成功させた後、ハンドソープ、洗濯用洗剤を作れるようになりました。環境保護と健康増進のために、他の女性たちにもこうした方法をやって欲しいです。」

気候変動がよく発生し、生活用水の不足が問題点となっています。こうした状況の中で、多くの科学者がこれらの問題点の解決策を見出すために、研究してきました。中部ダラット大学環境資源学部のグェン・ティ・ハウ教師は、洪水被災地と塩害地域における生活用の浄水の生産方法を研究してきた人です。長年にわたって、外国で研修し、「正浸透膜技術」を研究したということです。この方法は、省エネと気候変動の軽減に役立つと評価されています。

ハウさん＝Phụ nữ Việt Nam

ハウさんの話です。

（テープ）

「この浸透膜は、洪水や塩害の影響で電力がない緊急時に、生活用水不足に対応するために役立ちます。この技術は、世界各国にもう広く使用されるようになっていますが、値段はまだ高いです。そこで、私は中国・台湾の台北国家技術大学の研究グループと連携して、正浸透膜を研究しました。ですから、私たちが造った正浸透膜は、1個8万ドン（４百円ほど）だけですが、5年間も繰り返して使えることができますので、高くではありませんね。」

廃棄物を有益なものにリサイクルしたホンさんと、洪水や塩害の被災地で浄水生産技術を研究してきたハウさんは、2017年10月17日にベトナム女性連合会中央委員会から顕彰されました。これらの研究結果は、災害の軽減、気候変動対応に大きく寄与するということです。

ベトナム女性連合会中央委員会の代表の話です。

（テープ）                      

「現在、ベトナム女性連合会は、中央災害防止対策・救難救護委員会と連携して、災害の軽減と気候変動の対応への女性の参加を奨励するために、宣伝活動を行っています。この分野において、女性の役割を活用したいからですね。」

ベトナム女性の多くは、家庭内の役割を果たすとともに、生活と環境保全に役立つ製品を研究してきました。彼女たちは、"現代の女性"という称号に値するでしょう。