2013年6月末に、ハノイ市のベト・ドク(VietDuc)病院で、臓器移植コーディネーターセンターが設立されました。これは、臓器移植を望んでいる数多くの患者に希望を灯すと期待されています。というのは、毎年ベトナムでは数千人の患者が心臓、腎臓、肝臓の移植を待っているからです。
コン・ティ・チャンさんは昨年に重度の心不全になり、医師から心臓病の移植を指定されたものの、提供者がいないため、この病気とともに生きています。また、心臓病患者の13歳のグェン・ゴク・アンさんは、3年間待って、最近やっと移植されました。ゴクアンさんの父親であるグェン・フウ・ギエムさんは次のように語りました。
(テープ)
「3年間待ち続けて、とても心配しました。なぜなら、娘の健康が悪化していったからです。やっと心臓移植を受けるようになりました。」
チャンさんとゴック・アンさんは臓器移植を待っている数千人の患者の中にいます。実際、臓器移植を受けた人数はとても少ないのです。ベト・ドク病院は全国で最も複雑な臓器移植を扱う病院ですが、2011年以来、6件の心臓移植だけでした。また、2007年以来、3件の大人の肝臓移植、そして、1999年以降、170件の心臓移植だけを行いました。そのため、政府は臓器移植コーディネーターセンタの設立を決定しました。このセンターはベト・ドク病院内にあります。
ベト・ドク病院の泌尿器科のド・ゴック・ソン医師は次のように語りました。
(テープ)
「私たちは脳死者、または、心肺停止になった患者からの臓器を受け取れるように、宣伝網を繰り広げています。しかし、臓器提供者を増える為に、家族の死を悲しむ人々を理解することなどや準備作業は周到に行わなければならないと思います。臓器移植コーディネーターセンターは、全国にある全ての臓器移植施設を通して、移植待機者数や移植用の臓器に関する情報をまとめた上で、臓器を調整する役割を果たします。」
このセンターは、医療施設網における重要な職能と位置を果たしており、臓器移植の希望者と臓器提供者を結ぶ架け橋となります。現在、全国では、臓器移植の基準を満たす医療施設は13箇所があり、待機者数も増加しています。一方で、腎臓移植を必要とする慢性腎不全患者およそ6千人、肝臓移植を受けるべき肝臓病患者少なくとも1500人、角膜移植を待っている患者は5千人あまり、そして多くの人が心臓移植を待っています。しかし、脳死者から提供された臓器はとても少ないです。
臓器移植コーディネーターセンターはコミュニティでの臓器、種々の組織や細胞の提供運動を促す任務を果たすとともに、全国の各医療施設に脳死者の提供臓器を合理的に調整、配分する役割を持っています。保健省幹部組織局のブ・トアン・フン副局長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「近年、ベト・ドク病院、小児中央病院、チョ・ライ病院及びフェ中央合病院は、臓器移植を順調にに行ってきました。しかし、臓器のコーディネーター施設を設立することは極めて重要です。例えば、北部に臓器を必要とする患者がいて、南部に脳死患者の臓器提供者がいる場合、コーディネーターの役割は必要とする人と提供者、移植待機者と臓器提供者を調整するということです。」
ベトナム保健省は、臓器・細胞などの移植に関する国家指導委員会を設立しました。この委員会は関連各機関に対し法的文化システムの作成を指導するとともに、国家コーディネーターと連携して、法律に沿って移植を行うことになります。