ザオティエンの「鈴の踊り」

(VOVWORLD) - 「鈴の踊り」は、先祖の恩に報いる儀式や、葬式、豊作を祝う式、成人式、二十四節季の5番目である「清明」などほとんどの儀式で主要な踊りとして用いられます。

少数民族ザオ族は居住地ごとにグループに分類され、風習や伝統、衣装によって、ザオクアンチャット(Dao Quan Chat)、ザオロガン(Dao Lo Gan)、ザオティエン(Dao Tien)、ザオクアンチャン(Dao Quan Trang)などに分けられます。西北部ソンラ省ヴァンホ県に暮らす「ザオティエン」にとって、最も神聖な踊りとされる「鈴の踊り」は信仰の儀式に欠かせないものです。

ザオティエンの「鈴の踊り」 - ảnh 1「鈴の踊り」

「鈴の踊り」は、先祖の恩に報いる儀式や、葬式、豊作を祝う式、成人式、二十四節季の5番目である「清明」などほとんどの儀式で主要な踊りとして用いられます。特に、ザオティエンの最も重要な儀式「先祖の恩に報いる儀式」では、「鈴の踊り」は家族の健康や豊作を守ってくれた先祖に感謝の気持ちを表すものとして信仰生活を物語るものの一つといえます。

ヴァンホ県スオイリン村に暮らすバン・ティ・ビンさんによりますと、ザオティエンの人であれば、誰でも鈴の踊りができるとしています。幼いときから、この踊りを頻繁に見たり、親に教えてもらったりするからです。鈴の踊りは踊り手が多ければ多いほど楽しいですが、8人からなる男女のグループによる踊りが一般的です。踊り手は右手で銅製の鈴を持って鳴らしながら踊ります。鈴で踊りのメロディーを作って、踊り手は鈴の音に合わせて動きながら、民謡を歌います。昔から伝わるこれらの民謡は、ザオティエンの人々の生活や習慣、伝統を再現するものであるとしています。ビンさんの話です。

(テープ)

「鈴の踊りはザオティエンならではの文化で、先祖代々受け継がれてきました。現在も、この踊りは世代を超えて伝えられており、大切に保たれていますので、我が民族の伝統文化の保存に役立ち、大変うれしく思います」

現在、スオイリン村には鈴の踊りグループがたくさんあります。少年からなるグループがあれば、老人のグループもあります。バン・ヴァン・センさんは、55歳から60歳の12人からなるグループのリーダー(?)です。センさんによりますと、このグループは毎日のように、夜になると村の集会所に集まって鈴の踊りを練習しています。これにより、このグループは最も優秀なグループの一つとなり、村と村の近郊で行われる儀式で踊ってもらえないか、と勧誘があるそうです。センさんの話です。

(テープ)

「スオイリン村のお年寄りによる鈴の踊りグループのリーダーに選ばれたことを誇りに思います。グループのメンバーに鈴の踊りをできる限り指導しています。また、私の子どもと孫にも鈴の踊りを始め、我が民族の伝統文化を保っていくよう働きかけています」

一方、若者によるグループのリーダーバン・ヴァン・トアンさんによりますと、村の若者のほとんどは鈴の踊りが好きで、時間があると一生懸命練習しています。トアンさんは次のように話しました。

(テープ)

「私とグループのメンバーは親などから教えてもらって一生懸命練習しています。この踊りは我が民族の伝統文化の一つでどうしても守りたいと思います」

チャンスがあれば、ザオティエンの村に足を運んで、鈴の踊りを通じてこの民族の信仰生活を楽しむのはよい体験になることでしょう。

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