ザオ族の伝統文化の保存を目指す教室

(VOVWORLD) - ハノイから西北へ160キロメートル離れたところにある山間部のイエンバイ省チャンイエン県ルオンティン村ケーカー集落は少数民族ザオ族の居住地です。ケーカー集落はザオ族の文字を教える教室を通じて、ザオ族の伝統文化の保存に取り組んでいることで知られています。
ザオ族の伝統文化の保存を目指す教室 - ảnh 1ザオ族の文字を教える教室

(テープ)教室の音

ザオ族の文字を教える教室の生徒数は50人余りです。蒸し暑い日にも、性別と年齢を問わず、皆一生懸命勉強しています。村人の一人ズオン・ティ・マイさんによりますと、ケーカー集落の人々は皆、ザオ族の言葉でしゃべっていますが、文字の読み書きができる人はわずか数人です。そして、ザオ族の風俗習慣に詳しい人も少ないです。そのため、ザオ族の文字を教える教室が開かれることを知り、すぐ参加を申し込む人が多かったとしています。マイさんの話です。

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「教室は本当に有益だと思います。ザオ族の文字のほか、文字を通じてザオ族の風俗習慣、教育、先人についても理解を深めることができました」

ザオ族の文字はザオ族の言葉を表記するために漢字を応用して作られた文字です。ザオ族の文字は部首が214あり、それを全部覚えるのは簡単ではありません。教室に通っているチエウ・シン・ルアンさんは、最初は苦労したが、徐々に慣れてきたため、勉強が好きになっているとし、次のように語りました。

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「教室は毎週の火曜日と土曜日に開かれ、生徒数は50人です。私たちは畑仕事などで毎日忙しいですが、火曜日と土曜日には教室に出席するようにしています」

ザオ族の伝統文化の保存を目指す教室 - ảnh 2文字のほか、伝統文化について学ぶ。

文字の読み書きができれば、昔から伝わる古い書籍を読むことができます。これらの書籍は、ザオ族の伝統的な儀式や行事などを詳しく説明したもので、ザオ族の信仰生活に関する理解を深めることに役立つとされています。教室の生徒チエウ・バン・ブオンさんは次のように語りました。

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「これはザオ族の独特な文化の一つです。私たちは必ず守らなければなりません。そのため、私は、古い書籍が読めるように教室に通うことにしました」

教室を担当する人は、ザオ族の言葉と文字、そして、伝統文化に詳しいチエウ・クイ・ティンさんです。伝統文化の衰退を懸念するティンさんは地元の有力者・人格者と協力して、村の家々を回って若者に教室への参加を働きかけました。教室で、ティンさんは、ザオ族の文字を教えるだけでなく、ザオ族の伝統的な儀式や文化、風俗習慣についてよく語っています。ティンさんの熱心な指導により、生徒たちは文字を読み書きできたほか、ザオ族の伝統文化に関する興味が芽生えたとのことです。ティンさんの話です。

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「私はできる限り教えるという精神をもってのぞんでいます。教室に参加する人たちは欠席もせず、時間通りにきて、一生懸命に勉強しています。これは私にとって何よりです」

ケーカー集落で開かれているザオ族の文字を教える教室は伝統文化の保存を目指す地元の人々の取り組みの代表的な模範として広まっています。

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