ラグライ族の「親孝行の儀式」

(VOVWORLD) - 中南部ニントゥアン省バイアイ県に暮らす少数民族ラグライ族は「親孝行の儀式」を誇りにしています。これはこの民族の人生観の表れで、現在も大切に保たれています。
ラグライ族の「親孝行の儀式」 - ảnh 1「親孝行儀式」のお供え物

ラグライ族の「親孝行儀式」は子どもが結婚した後に行われるのが一般的です。子どもを育てるのに大変な苦労をした親の恩に報いるためのものなので、どうしても親が亡くなる前に行われなければなりません。儀式の開催期間は子どもの経済的余裕によりますが、結婚してから3年~5年後に行う人が多いです。バクアイ県フォクビン村に暮らすカト・ホアさんは次のように話しました。

(テープ)

「親は子どもを育てるために大変苦労したので、大人になって結婚してから、親孝行の儀式を行い、親に感謝の気持ちを表したいと思うのは全子どもに共通するものです」

親孝行の儀式のお供え物は、鶏2羽、豚1頭、地酒の壺1瓶です。この儀式は家族単位の行事ではなく、村の行事として見なされるので、村人の多くが手伝いに来てくれます。子どもは儀式のお供え物のほか、親への贈り物を用意します。新しい衣服、スカーフ、ネックレスなどをお母さんに贈るのに対し、お父さんには新しい衣服や指輪などが贈られます。しかし、贈り物は子どもの経済的余裕によって異なります。

ラグライ族の「親孝行の儀式」 - ảnh 2儀式後の踊り

儀式の準備が終わった後、祈祷師は子どもを代表して、神様と先祖に対し親の健康を祈願します。また、その家族の豊作や幸運なども祈ります。その後、子どもは用意した贈り物を親に手渡し、感謝の言葉を述べます。最後は宴席です。宴席で、その家族と村人はお酒を飲みながら、伝統的な踊りと歌を楽しみます。

子ども一人につき親孝行の儀式は1回だけです。儀式を行う順番は結婚の順番によるものですが、もし経済的余裕があれば、既存の兄弟に先駆けて儀式を行っても構いません。バクアイ県フォクホア村に暮らすピ・ナン・チャクさんは次のように話しました。

(テープ)

「一人の子どもにつき1回だけ儀式を行います。例えば、4人の子どもがいる家族は4回の儀式を行います。結婚してから3年~5年後に儀式を行うのが一般的ですが、貧しい家族であれば、6、7年後に行えるようにします。どうしても親が亡くなる前に行うべきです」

「親孝行の儀式」は、親の恩に報いるとともに、家族だけでなく、コミュニティのつながりも強くする良き伝統としてしっかりと守られています。

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