お元気ですか、皆さん、タオです。
やっと、秋はやってきましたね。黄色い葉で染まれているハノイの通りを見て、不思議な気分になります。秋が来ると、空が晴れ、空気が清らかになってくるようだということですね。皆さんのお住まいの町はいかがですか。
さて、今週、首都ハノイに住んでいる日本人のリスナーからのお便りを頂きました。それは「この夏、ある日本企業が毎年主催しているハノイオペラハウスでのクラシックコンサートに行きました。演奏はベトナム国立交響楽団でとても素敵でした。当然アンコールが出てオーケーストラが演奏をしました。ゆったりしたとてもここちよい曲でしたが題名が分かりません。その後 数人の日本人から「あの曲なに?」と聞かれたのであちこちに聴いてやっとXE CHI LUON KIM というものだと分かりました。これはどこのどんな曲ですか どんな意味がありますか?是非知りたいのでよろしくお願いします」との内容でした。
ベトナムの伝統的な楽器の演奏に関心をよせていただき、感動しています。そして、リクエスト、どうもありがとうございました。
これは、バクニン省の民謡です。現在、バクニン省といえば日系企業をはじめ、外国企業がたくさんあり、工業団地ができていますが、もともとは、民謡の発祥地なのです。
今日のこの時間はXE CHI LUON KIM という歌を始め、北部バクニン省の民謡をお届けしましょう。
バクニン省の民謡クァンホといえば、恋人や故郷を思う、しっとりとしてどこか寂しい曲調が多くて、男女のグループに分かれて、歌で呼びかけて歌で答えて…という形態がよく取られるとすぐ思えるんです。
また、バクニン省は全国で最も多くの祭りが行われる地方だけでなく、ユネスコにより人類の無形文化遺産として認定された民謡クァンホの故郷でもありますよ。
では、はじめに、タンヒェウアーチストの歌声で「糸をつむぎ、針で縫う」(Xe Chi Luon Kim)をどうぞ。
私は、糸をつむぎ、針で縫っている
スカーフに愛と思い出しを刺繍する
そして、愛している人にあげたいのよ
私は、糸をつむぎ、針で縫っている
では次に「花は香り、蝶は舞う」(Hoa thom buom luon) をお送りします。
あたしゃ香って咲く花よ
あんた舞っている蝶々さん
あ、蝶々さん
ちょいと声かけ、お誘いか
恋の道さへお誘いか
(Nguyen Nghia Duyen 画家の「バクニン省の民謡クァンホ
作品)
おしまいに、「船べりに座る」( Ngoi tua man thuyen) をお届けします。
「昨夜、船べりに座り、
水に影を落としていた月を眺め
詩を詠みながら、酒を飲んでいる
君は琴を弾いて、その旋律に響いている」
いかがでしたか、皆さん、今日は北部バクニン省の民謡をお届けしました。それでは今日のリクエスト音楽はこれで終わります。また来週のこの時間をお楽しみに。ごきげんよう。