ライチャウ省タムドオン県ザンマ村における梨の付加価値向上
(VOVWORLD) -ベトナム北部山間部ライチャウ省タムドオン県ザンマ村は、年間を通して涼しい気候に恵まれ、スモモ、ナシ、モモなどの温帯果樹園に適している地方です。
地元の潜在力とメリットを活用するため、行政当局は、住民に、経済的に高い価値をもたらす植物の栽培を働きかけています。
ザンマ村に住む少数民族モン族の人々は、およそ10年前に、ナシを含む温帯果樹の栽培をはじめました。現在、村全体には120ヘクタールの果樹園の内のおよそ50ヘクタールのナシ園があります。住民たちは、毎年、収穫期になると、ナシ狩りツアーを開設していますので、ザンマ村にある9箇所の集落の中の7箇所のナシ園は、数多くの観光客を誘致し、地元の経済発展に貢献しています。
梨の栽培者であるザン・ア・フーさんは次のように明らかにしました。
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「以前、主にトウモロコシと稲を栽培していましたが、生活はなかなか改善できませんでした。しかし、ナシの栽培をはじめてから、収入も上がるようになりました。収穫期になると、多くの観光客が訪れ、ナシ狩り体験ツアーに参加します。ナシは甘く美味しい果物であるので好まれています。将来的には、ナシの栽培面積を拡張するつもりです」
ハノイ市からの観光客であるノン・クイ・フォンさんは次のように語っています。
(テープ)
「私たちは主に雄大な風景をながめたり、ホームステイやビーチに行ったりしましたが、このような農村部へ足を運んで、色々な面白い体験ができるとは思っていませんでした。ここに来ると、観光客は素直な農民たちと話し合ったり、彼らが作ってくれた農産物を味わうことが出来ます」
先頃、タムドオン県は、第1回ナシ狩り祭りを開催しました。このイベントでは、ナシ狩り、ナシの皮むき大会、ナシの実の飾り、特産品の紹介などが行われました。
ザンマ村人民委員会のマ・ア・トア副委員長は次のように明らかにしました。
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「ザンマ村の行政当局は、ナシの栽培開発と観光開発を同時に行う方針です。ナシの栽培工程には、花の咲く時期と、果実を収穫する時期があり、観光客をそれぞれひきつけています。ですから、農民は、大きくて美しいナシの木を育てるように、枝の剪定や、ナシの木の手入れなどに力を注いでいます。大きくて甘味が強いナシの果実は観光客に好まれている一方、農民に高い収入をもたらします」
タムドオン県の党委員会、行政当局は、ナシなどの温帯果樹を持続的に発展させるために、栽培面積の拡張と農業体験ツアーの開発を両立させて実施する方針です。これは、農産物の付加価値の向上、貧困解消に貢献する新しい方向性でもあります。