2012年の中東・北アフリカ地域情勢

1年間は365日があり、様々な問題を解決するための時間がありますが、中東・北アフリカ地域が平和を取り戻すためには足りなかったのです。2012年にも中東和平プロセスや「アラブの春」運動をはじめ、この地域の緊張情勢の行き詰まりはまだ打開できませんでした。

2012年の中東・北アフリカ地域情勢 - ảnh 1

まず、イスラエルとパレスチナとの関係についてですが、双方の不一致がまだ埋まれておらず、衝突が散発的に発生しています。パレスチナ側はイスラエル側がユダヤ人の入植地建設を停止することを和平交渉の条件としている一方、ネタニアフ首相はパレスチナ側が交渉に無条件で参加するよう促しています。

2012年の中東・北アフリカ地域情勢 - ảnh 2

国際社会が中東和平プロセスの促進に力を入れてきましたが、具体的な結果が収めていません。ロシアのプーチン大統領は昨年6月下旬、イスラエルとパレスチナを訪問し、ネタニアフ首相やアッバス議長と会談し、頓挫している中東和平交渉の再開に向けた方策などについて協議しました。この訪問は中東和平プロセスに新たな気運をもたらすと期待されましたが、実際、期待通りに結果を収めませんでした。

11月14から22日にかけて発生したイスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスとの武装衝突はそのことを証明する事件です。この衝突によって、パレスチナ人158人、イスラエル人6人が死亡しました。

国連総会は11月29日に、パレスチナの国連での地位を「オブザーバー国家」へ格上げする決議を、賛成138か国、反対9か国、棄権41か国の圧倒的な賛成多数で採択しましたが、アナリストらは「パレスチナ独立国家樹立の道のりがまだ遠い」と指摘しています。

次に、「アラブの春」運動です。この運動はアラブ諸国に新風を吹き込むものとみられていますが、実際、アラブ諸国で依然として不安定な状況が続いています。シリアはその典型的な例です。同国は内戦に落ち、現時点までもその行き詰まりの打開策がまだない状態です。そして、この国に平和を取り戻すチャンスがなくなっていると指摘されています。

2012年の中東・北アフリカ地域情勢 - ảnh 3

国連の推計によりますと、毎日平均、シリア国民3000人が近隣諸国に非難しており、今年末までに、シリア難民の数は70万人を超える可能性があるということです。

一方、イランの情勢も複雑です。昨年、同国は国内経済の困難に直面しながらも、核兵器開発の疑惑で、欧米諸国から厳しい圧力に対応しなければなりませんでした。現在もイランの核問題に関する交渉は行き詰まり状態にあります。

2012年の中東・北アフリカ地域情勢 - ảnh 4

一年が過ぎ去ったものの、中東・北アフリカは積極的な兆しをまだ見せていません。こうした中、アナリストらは「世界の最もホットな地域である中東の緊張情勢が長期化する」との懸念を示しています。

ご感想

他の情報