
トルコでの爆弾テロの現場(写真:ロイター)
2013年に、世界の情勢は、経済が回復の兆を見せましたが、政治が複雑に推移しました。複数の国で、紛争が発生したほか、テロも増しました。中東・北アフリカ諸国や、タイ、カンボジアでの反政府デモや、中国と複数のアジア諸国との領土紛争などはその情勢を複雑化させました。これまでも、これらの問題の解決策がまだない状態です。
暴力と反政府デモの拡大
中東・北アフリカ地域の情勢の不安が続いています。シリア内戦や、エジプトの混乱、イラクでの衝突などはその例となっています。このため、この地域は世界の最も危険なところと評されています。加えて、タイでの反政府デモが多発し、まだ収束していません。
一方、カンボジアでは、7月28日に行われた総選挙の結果を巡り、 野党CNRP=カンボジア救国党は「選挙で重大な不正があっ たとして受け入れを拒否しました。
CNRP党首であるサム・ランシーは与野党、国連、国際NGOなどからなる調査専門委員会の設置を要請したり、抗議デモを行い政治不安を引き起こしました。
領土紛争の拡大
特に、中国と複数のアジア諸国との領土紛争が拡大しました。中国が東シナ海で、ADIZ=防空識別圏に設定すると発表しました。韓国国防省は中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したことに対抗して、韓国の防空識別圏を日本領空も含む南方に拡大させると発表しました。
拡大範囲は、日本と中国が設定しているADIZの一部と重なりあっています。これにより、日中韓3カ国が複雑な対立の火種を抱えることになり、東アジアの空は「一触即発」状態に陥っています。
諸島をめぐる日中の緊張は今後も高まってゆきます。終わりはまだ見えません。神経戦が展開されています。事態は軍事紛争へと雪崩れ込もうとしているかに見えます。
テロリズムの拡大
さて、昨年、多くの国で、テロ攻撃が発生し、数千人の命を奪いました。アフガニスタンとシリアは「テロの中心地」として知られています。
「ISIL=イラク・レバントのイスラム国」などアルカイダ系テロ組織は活動を拡大させ、南アジア、西アジア、北アフリカの各地域の安全保障を脅かしています。テロが続くイラクで2013年の民間人死者が7818人を超え、比較可能な2008年以降で最悪になりました。
イラクなどのほか、アメリカのボストンテロ事件や中国の天安門テロ事件も発生しました。
2013年が終わりましたが未解決問題が山積しています。今年に、以上指摘された問題がどのように解決されるかは焦点となります。