2013年は、アメリカとロシアとの関係にとって様々な問題が発生した年です。両国の立場の間には不一致点と隔たりが沢山あります。しかし、その背景の中にもこの両国は協力を進めています。アナリストらはその関係を「賛否両方複雑に絡み合う関係」と呼んでいます。
2013年に、スパイ事件や、シリア問題、ウクライナ問題などに関して、ロシアとアメリカの間には大きな矛盾があります。これらにより、両国関係が改善されないだけでなく、悪化したと言っても過言ではありません。
中東・北アフリカ問題に関する不一致
ロシアは、アメリカが「アラブの春」という運動に火種を撒いたと告発しました。これにより、チュニジアや、エジプトなどは混乱状態に陥っています。特に、シリアは深刻な内戦が続いています。この問題に関しては、アメリカが軍事力行使も辞さないあらゆる手段でアサド政権転覆を図っていることに対し、ロシアは猛反発し、アサド大統領を支持しています。
そして、アメリカが「アサド政権は化学兵器を使用する」として、シリアを攻撃しようとしたことに対し、ロシアは、国際社会の監視の下にシリアの化学兵器を処理することを提案しました。ロシアのこの提案は国際社会の支持を受け、そして、「これにより、シリアは残酷な戦争を避けれた」と評価されています。
「スノーデン」と名づけられた悪夢
アメリカのCIA=中央情報局のスノーデン元職員がNSA=アメリカ国家安全保障局による監視活動を暴露したことにより全世界が揺れました。そして、この事件は米ロ関係にマイナス影響を与えました。
ロシアがスノーデン氏の亡命を受け入れる意向を表明したことに対し、アメリカはロシアに警告を発しました。特に、オバマ大統領は、9月に予定されていたプーチン大統領との首脳会談を見送ることだけではなく、ロシアとの関係の「リセット」を一時的に停止することも決めました。
共通の利益のための協力
こうした中、米ロ両国は共通の利益のために協力も重要視しています。アジア・太平洋地域での権益はそのことを示すものです。ロシアも、アメリカもこの地域の戦略的な重要性を認識しており、この地域での影響範囲の拡大に力を入れています。アメリカがアジア・太平洋地域政策を発表したのに対し、ロシアはこの地域での協力を促進しています。
こうした中、アナリストらは「2014年に、米ロ関係に突破口を切り開く動きが出る」と予測し、「これらはこの両国関係と世界の発展事業に寄与するものとなる」との期待感を示しています。