2021年の中東地域:試練と希望

(VOVWORLD) -2021年、中東地域の情勢不安が続いていました。これは政治アナリストが予測した通りです。
2021年の中東地域:試練と希望 - ảnh 12021年12月21日に開かれたイラン核交渉(写真:TTXVN)

2021年12月21日に行われた中東地域の情勢に関する2021年の最後の会合で、国連安全保障理事会は「地域内の情勢が不安している。その中で、パレスチナ人の居住地域情勢の緊張が続いている」との見解を明らかにしました。

多くのホットスポットが残されている

国連の統計によりますと、2021年、ヨルダン川西岸を始め、パレスチナ人の居住地域での衝突が引き続き増加した結果、2021年に死亡したパレスチナ人の数は2020年と比べて3倍増になったということです。従来と同じように、パレスチナとイスラエルの人々にとって、平和はまだ遠く夢のような話です。

しかし、中東和平プロセスだけでなく、シリア内戦、イエメン内戦、不安なイラク情勢、イランの核問題など中東地域の他の国々の情勢も行き詰まっていました。その中で、シリア内戦は発生してから11年目に入りましたが、最終の停戦合意が達成できていません。特に、2021年、イスラエルがシリアへの攻撃を強化したことにより、この内戦の動向が複雑に推移しています。同じく、イエメンで、暫定政府軍とイランが支援するフーシ派との内戦が続いています。

そのような中、2015年7月に最終合意したイランの核開発に関するJCPOA=「共同包括行動計画」の再建を目指す交渉が幾度も開かれましたが、結果を収めていません。

一方、イランの隣国であるイラクでも、治安情勢の不安定化はイラクの再建事業の大きな試練となっています。イラクで、過激派組織「イスラム国」が連続して、自爆攻撃を行っています。その一方、2021年10月に行われた国会議員選挙後、イラク政治情勢が引き続き不安しています。

努力と希望

政治アナリストによりますと、2021年、中東地域の緊張情勢が緩和されていないことにはいくつかの原因があります。まず始めに、中東地域に発生している問題はいずれも長年来発生していた複雑問題であるということです。また、これらの問題は多くの国や宗派などに関連するもので、コンセンサスを達成するのは難しいということです。その他、新型コロナウイルス感染症が世界規模で蔓延している背景の中で、この地域で発生している問題を解決するための資金がはるかに削減されていたということです。

しかし、2021年、国際社会は中東地域で発生している問題に深い関心を寄せてきました。安保理はパレスチナとイスラエルとの紛争解決策を探るため、幾度も会合を行いました。また、イラン核問題に関して、国連、EU=欧州連合など世界の多くの国はこの問題の解決に積極的に参加してきました。8か月の間に、8件の交渉が開かれました。これらの努力は中東地域で残されている問題の解決に重要な前提を作り出すと言えることでしょう。

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