すでにお伝えしましたように、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席はロシアのプーチン大統領の招きに応じて、9月7日から9日までロシアのウラジオストクで開催されるAPEC=アジア太平洋経済協力会議第20回首脳会議に出席します。これは、ベトナムが国際社会への参入とロシアとの関係を強化するチャンスとみられています。
APECは1989年にオーストラリアの提案で設立されました。当初、12加盟国しかありませんでしたが、現在、加盟国数は21となり、その内、アメリカや日本、中国、ロシアなど経済大国も含まれています。加盟各国は、世界のの人口の59%、GDP=国内総生産の50%、貿易総額の57%を占めています。今回の首脳会議は世界の政治、安全保障、経済の状況が複雑に推移している背景の中、開催され、「成長のための連携、繁栄のための創造」をテーマにします。サミットは「貿易・投資自由化と地域内経済連携」や「食糧安全保障確保」、「信頼に足る供給網作り」、「創造の成長促進」という4つの課題に集中的に討議する予定です。
1998年にAPECに加盟して以来、ベトナムが積極的な加盟国として評価されています。ベトナムは全ての分野におけるAPEC内外の協力促進に積極的に寄与しています。
2006年、ベトナムは第14回APEC首脳会議を成功裏に主催しました。この会議がAPEC協力に長期的な方向を決定する重要な意義を持つと評されています。また、ベトナムはAPECとの公約を厳粛に履行するほか、議長国、および、APECの複数の作業グループの責任者としての役割を果たしました。これまで、ベトナムは貿易、投資、技術、医療、テロ対策、自然災害予防対策などの分野に関する70件のイニシアチブを展開しました。APECサミット2012で、サン主席は「世界各国の信頼に足るパートナーになる用意がある」というベトナムの全方位外交政策を再度確認します。また、ベトナムがロシアとの全面的かつ戦略的パートナーシップを重視することも再確認します。
サン主席がAPECサミット2012に出席することは、国際社会におけるベトナム地位が日増しに高まっていること示すほか、国際社会への参入を積極的に促進しているベトナムの姿勢を紹介するチャンスとなるでしょう。