(VOVWORLD) - 8月8日はASEAN東南アジア諸国連合設立56周年です。この56年の歴史をもつASEANは地域協力において大きな成果を収め、世界の模範となっています。こうしたASEANは域内の団結と連携を強化し、国際社会における威信を高めています。
第56回ASEAN外相会議 |
平和と安全保障の維持、経済成長の確保
ASEANの最も目立つ成果は平和と安全保障の維持と言えます。ASEANは加盟国間の信頼と団結を築いたほか、加盟国と相手国との対話と協力を促進していました。また、ASEANはアジア太平洋地域の国々の間で信頼を築き、規範や行動基準の価値を共有・発揮することができました。そして、ASEANは域内の協力を強化し、安全保障上の課題に対処する自らの能力を向上させ、大国の干渉と支配を制限しています。
ASEANは、紛争または潜在的な紛争の予防と管理において、地域における重要な役割を果たしています。ベトナム東部海域(南シナ海)問題において、ASEANは常に、国際法の基本的原則の順守を主張しています。ASEANは信頼醸成と行動規範の策定に向けた措置を講じ、中でも中国とDOC=海上行動宣言を締結したほか、効力のある効果的なCOC=海上行動規範の策定に取り組んでいます。ASEANはまた、衝突や紛争のリスクを予防し、同海域における航行と航空の安全保障を確保するため、海上問題に関する対話と協力を促進しています。
現在、ASEANの正式加盟国は10カ国ですが、昨年11月、東ティモールが11番目の加盟国になることで大筋合意しました。この合意により、ASEAN は東南アジア地域全体を 1 つのコミュニティにまとめます。ASEAN では人的交流やつながりが強化されており、加盟国の国民はビザなしで地域内を自由に移動できるようになりました。
経済分野において、ASEAN経済共同体は日増しに相手国の関心をひきつけています。これまで、ASEANは、日本や韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどと二国間のFTA自由貿易協定やEPA経済連携協定を締結しているほか、ASEAN加盟10か国、そして日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが加盟するRCEP地域的な包括的経済連携協定が2022年1月1日に発行しました。そして、カナダとFTA自由貿易協定の交渉を進めているとともに、EU欧州連合とのFTA締結を検討しています。
世界経済が低迷している中で、ASEANは引き続き、経済成長の明るいスポットであり、魅力的な投資先です。ASEANの今年と来年の成長率はそれぞれ4.7%と5%に達すると予測されています。これは、世界の平均成長率をはるかに上回るものです。
ASEAN 平和・協力・発展の焦点
近年、ASEANの威信と役割は日増しに高まっています。域外の多くの大国は、ASEANとの関係強化を戦略の重要な優先事項の1つとし、ASEANの中心的役割をますます重視するようになっています。
先ごろ、インドネシアで開催された第56回ASEAN外相会議で、サウジアラビアは、東南アジア友好協力条約に正式に参加しました。パナマ、スペイン、メキシコも来月に同条約に参加する予定です。現在までに、51 か国が参加する TAC は、地域諸国間の関係と行動の基盤となっています。ますます多くの国が参加を表明していることは、同条約の価値と活力、そして行動基準の共有と普及における ASEAN の成功を証明しています。
ASEANの相手国は全員、地域のすべてのプロセスにおけるASEANの中心的役割を確認し、多くの具体的な約束を通じてASEAN共同体の構築の支援を表明しています。
国際的および地域的問題において、ASEANは依然として重要な役割を果たしており、相違があるにもかかわらず、平和と持続可能な開発のためのあらゆる努力におけるASEANの中心的な役割の維持という共通の目標に向かっています。世界の地政学的変動の中で、56年の歴史をもつASEANは、共通の意志、団結、決意を全員が共有する場合にのみ平和が維持できることを深く理解した上で、地域と世界の平和・協力・発展に貢献しています。