近年、ASEAN東南アジア諸国連合はASEAN+1やASEAN+3などの協力体制を通じて世界の各国や組織との協力を拡大しつつあります。その中で、ASEAN+1は最も効果を上げている協力体制であると評されています。
(写真:TTXVN)
ASEAN+1とはASEANとそれぞれの相手国との協力拡大を目指すもので、ASEANと地域外との協力において最も歴史が長い協力体制です。現在、ASEAN+1の相手として中国、韓国、カナダ、日本、インド、オーストラリア、アメリカ、EU欧州連合、ロシア、ニュージーランドがあります。
経済協力を促進
ASEANとこれらの相手国の関係は政治や経済などの分野において著しく発展していますが、経済分野はASEAN+1が最も成功している分野です。その証として、これらの相手国の支援により、ASEANは去年の末にASEAN経済共同体を構築することができました。
その中で、日本は、ASEAN内の発展格差の是正、メコン川地域における質の高い成長の実現、「日本・メコン協力のための新東京戦略2015」などの計画を通じて、ASEAN経済共同体の構築に大いに貢献しています。現在、ASEANと日本は日本ASEAN包括的経済連携のこの10年の実施状況の評価を進め、今後10年の包括的経済連携のロードマップを構築しています。
一方、オーストラリアとの経済協力は、2012年に締結されたASEAN・オーストラリア・ニュージーランド自由貿易協定により着実かつ急速に発展しています。また、オーストラリアは先ごろ、ASEANとの経済協力支援プログラムを2018年まで、そして、ASEAN・オーストラリア開発協力プログラムの第2フェンズを2019年まで延長することにしました。先ごろ、ラオスで開かれたASEAN・オーストラリア外相会議で、オーストラリアは双方の教育協力と国民交流の強化のために今後5年間に1億オーストラリア・ドルを支援すると公約しました。
安全保障協力を強化
ASEAN+1協力枠内において、ASEANの相手国は経済だけでなく、テロ、航行の安全、人身売買、越境犯罪など安全保障と犯罪防止対策の面においてもASEANを大きく支援しています。これにより、ASEANは、地域と世界の安全保障面においてますます威信を高め、安全保障の多くの課題解決において中心的な役割を果たしています。
こうしたASEAN+1協力体制は、ASEAN自体の発展だけでなく、地域と世界の平和と安定に貢献しているでしょう。