グェン・タン・ズン首相は今月10日から12日にかけて、韓国のパククネ大統領の招きに応え、ASEAN東南アジア諸国連合と韓国対話関係樹立25周年を記念する首脳会議に参加すると共に、韓国を訪問中です。
「信頼の醸成、幸福の構築」をテーマにする今年の首脳会議は、今後のASEANと韓国の対話関係の方向や、共に関心を持っている地域と国際問題などについて討議するとしています。また、同会議は、ASEANと韓国の戦略的パートナーシップのビジョンに関する共同宣言を採択します。
ASEAN・韓国対話関係の推進
ASEANと韓国対話関係が1989年に樹立されて以来、ASEANと韓国との協力は絶え間なく発展してきました。双方は2004年に全面的なパートナー、2010年に戦略的パートナーとなっています。ASEANと韓国は、2010~2015年期の行動計画を積極的に展開しており、2016~2020年期の行動計画の立案を準備しています。双方は、地域内の平和、安全保障、安定の維持に共に配慮しています。韓国は、ベトナム東部海域、いわゆる南シナ海問題を巡るASEANの立場を支持しています。
先頃、ハノイで、ベトナム外務省と在ベトナム韓国大使館が共催したASEANと韓国の戦略的パートナーシップに関するシンポジウムで、外務省・ASEAN局のグェン・テェン・ミン局長は次のように語りました。
(テープ)
「ASEANと韓国の関係において、経済、貿易、投資の関係は、重要な柱となっています。韓国は、ASEANの5番目の貿易相手国である一方、ASEANは韓国投資家にとって2番目の魅力的な投資先となっています。双方は、教育、文化、人材開発、気候変動対策などの分野における協力を絶え間なく拡大しています。」
現在、ASEANと韓国は、貿易取引総額を2015年までに1500億ドルに、2020年までに2000億ドルにする目標を立てています。
その一方で、ASEANと韓国は、東アジア地域と東南アジア地域の平和、安定、安全保障の維持における連携を緊密にして、互いに支持し合い、朝鮮半島の核問題やベトナム東部海域を巡る問題などの不安な状況の対応に寄与することになります。
ベトナム・韓国戦略的パートナーシップの推進
1992年の国交樹立、特に、2009年に両国関係を「戦略的協力パートナー」に格上げして以来、ベトナムと韓国関係は経済、貿易、投資などの分野において全面的に発展してきました。韓国は、ベトナムにとって最も重要な経済パートナーの一つとなっています。2013年の両国の貿易取引総額は275億ドルに達し、2007年の4倍増となりました。両国は、2020年までにその金額を700億ドルにする目標を設定しており、FTA=自由貿易協定の早期締結に向けて努力しています。
その他、2013年に、ベトナムを訪れた韓国人の数は、のべ75万人にのぼり、2007年と比べ倍増しました。韓国はベトナムの第2位の労働者派遣先ともなっています。文化、教育面では、現在、5千人あまりのベトナム人留学生が韓国で在学しています。韓国人とベトナム人による国際結婚も急増し、ベトナム・韓国との関係を象徴しています。ブーコアン元副首相は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムと韓国はまるで友達同士のようです。両国国民は、連携し合うだけでなく、共生しています。我々は、それぞれの国の繁栄にはベトナムと韓国のパートナー関係の重要な貢献があると言える十分な基礎を持っています。」
その良好な関係を基に、グェン・タン・ズン首相による韓国訪問はベトナムと韓国戦略的パートナーシップの推進に寄与すると同時に、両国の高級指導者の信頼と良好な関係を高めると期待されています。