20日カンボジアで開かれていたASEAN=東南アジア諸国連合の第21回首脳会議と一連の首脳会議は閉幕し、焦点となったベトナム東部海域いわゆる南シナ海の領有権問題では、具体的な進展がみられなかったうえ、議長声明の内容は中国の意向を強く反映したものになりました。
議長国カンボジアのフン・セン首相は閉幕の会見で、ASEANと日本や中国、インドなどを加えた16か国の包括的な経済連携協定の交渉を、来年初めから開始することで合意したことなどに触れ、「誰もが今回の進展に満足するだろう」と成果を強調しました。しかし、焦点となっていた南シナ海の島々の領有権問題では、ASEANと中国が、問題の平和的な解決に向けた法的な拘束力のあるルール作りに向けた、正式な協議の開始に関して合意に至らず、進展はみられませんでした。
さらに、アメリカも参加した20日の東アジアサミットでは、南シナ海の問題で激しい議論が展開されたものの、議長声明では「南シナ海」という海域を特定する表現を避け、「争いを平和的に解決する重要性を確認した」とするにとどまりました。
今回の会議について、ベトナム外務省のファム・ビン・ミン大臣は次のように語りました。
「テープ」
「今回の首脳会議で、人権に関するプノンペン宣言やASEANと中国間のDOC=行動宣言実施10周年を記念する宣言などの幾つかの重要な宣言が採択されました。その一方で、平和、安定のASEAN共同体作りに向け和解平和院を設立することで一致しました。」
ミン大臣はこのように語りました。
この首脳会議に出席したベトナムのグェン・タン・ズン首相は20日夜、プノンペンを発ち、帰国の途に着きました。この会議で、ベトナムはASEANの役割向上、ASEAN諸国間の団結の強化に積極的に参加する決意を引き続き表明しました。これについて、先ほどのファム・ビン・ミン大臣は次のように語りました
「テープ」
「ベトナムとASEAN加盟諸国は地域の平和維持及び経済社会の発展を目指すCOC行動規範の作成に積極的に参加しました。これは、ベトナムは東南アジア地域と南シナ海の平和的かつ安定した環境作りに寄与してきたということを意味します。また、ASEANと中国間のDOC=行動宣言実施10周年を記念する宣言の作成にも寄与しました。」
ミン大臣はこのように語りました
ASEAN首脳会議と関連首脳会議に際して、ズン首相は相手国の指導者と個別会見しました。これらの会見を通じて、ベトナムと相手国の関係が一層強化されることになります。
今回の会議で、ASEANの指導者はベトナム外務省のレ・ルォン・ミン副大臣を2013年から2017年までの任期においてASEANの事務局長に指名することで一致しました。
第21回ASEAN首脳会議と関連首脳会議の成功はアセアン共同体作りに寄与するものです。