5日ラオスで開幕したASEM=アジア・欧州会議第9回首脳会議は世論の注目を集めています。ユーロ圏諸国の信用不安で世界経済が減速するなか、経済の安定化に向けた協力、連携は主要議題となりました。
ASEM首脳会議は、アジアと欧州の49カ国の首脳らが参加し、初日の5日はユーロ圏の信用不安で世界経済が減速するなか、経済の安定に向けた協力の在り方について意見が交換されました。会議で、「ASEMが、ユーロ圏の債務危機をはじめ、全世界的な問題の解決策を模索するための重要なフォーラムである」との意見が相次ぎました。
また、参加者らはASEAN=東南アジア諸国をはじめ、アジア諸国の役割を高く評価しました。会議の前に、OECD=経済協力開発機構は「ASEANは世界的経済危機後に望ましい発展を見せている」と評価しました。さらに、ASEAN諸国の今年の経済成長率が高い水準に維持されることも予測されています。具体的には、シンガポールは15%、インドネシアは6%、マレーシアは6%となる見通しだということです。
そのほか、今年の経済成長率が7・8%に達すると予想されている中国の役割も高く評価されています。首脳会議で、中国の温家宝首相は「中国は責任ある大国として、できるだけ早く国内経済を安定させるとともに、経済的な困難に直面している国々に手を差し伸べる」と述べ、世界経済の安定に相応の役割を求める国際社会の期待に応えていきたいという意向を強調しました。
一方、EU=欧州連合のファンロンパイ大統領は「ユーロ圏の財政状況は数カ月前より格段に強化された」と述べ、銀行の監督業務の一元化に向けた取り組みが着実に進んでいることなどを強調しました。そのうえで、成長を続けるアジアの国々との自由貿易協定を拡大していく考えを示すとともに、新興国にも財政の健全化を求めました。
ASEM首脳会議は6日、食料やエネルギー問題など地球規模の課題や地域の安全保障などについて協議しました。これらも世界各国の差し迫った課題とみられています。
こうした中、国際世論はASEM第9回首脳会議がアジアと欧州の各国間の協力・連携を強化するチャンスとなり、現在の試練の解決策を見出せることを期待しています。