既にお伝えしましたように、EU＝欧州連合を訪問中の、ベトナムのファム・ビン・ミン外相はEUのキャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表とベトナムとEUの ＰＣＡ＝全面的なパートナーシップ協力協定に調印しました。この協定は、今後のベトナムとEUとの協力関係に新たな法的枠組みを作り出すと評価されています。

ベトナムとEUのPCA全面的なパートナーシップ協力協定が正式に調印されたことは双方の関係に重要な転換点を作り出しました。EUがベトナムに対し主に開発、貧困解消、経済転換を補助していたことから、平等なパートナーシップと全面的な協力関係へと移行してきました。PCA協定はこの20年間にわたるベトナムとEUとの全面的な関係発展の生きた証であると同時に、双方の関係を新たな発展段階に押し上げる重要な節目となっています。

ベトナムのファム・ビン・ミン外相

調印式後に、記者会見を行なったファム・ビン・ミン外相は次のように語っています。(テープ)

「今回のPCA協定はベトナムが必要とする協力分野を拡大させます。例えば、科学技術、教育養成などの分野です。これらの分野はベトナムにとって必要ですが、EUの強みでもあります。さらに、EUは、気候変動の対応やテロとの戦い、大量破壊兵器拡散防止などの分野におけるベトナムと協力を促進することもできます。これらの分野はEUがベトナムからの協力を必要としているものです」

このように語ったミン外相は、ベトナムとEU関係の展望を高く評価しました。その理由は、双方のハイレベル同士が発展を常に尊重していることです。また、ベトナムとの関係発展はEUが東南アジア地域諸国との協力関係を促進することに寄与することでもあります。さらに、ベトナムとEUとの貿易投資協力の潜在力は大きいということです。この間、ベトナムとEUが経済面で様々な困難に直面しながらも、ベトナムとEUの貿易取引は増加しています。2011年、双方の貿易取引額は昨年と比べ36％増にあたる240億ドルを超えました。ベトナムとEUがPCA全面的なパートナーシップ協力協定に正式に調印し、FTA＝自由貿易協定に関する交渉を正式に開始したことはそれぞれの経済、貿易と投資の潜在力を一層効果的に活用することに寄与すると期待されています。


在ベトナムEU代表部のフランズ・ゼッセン代表

在ベトナムEU代表部のフランズ・ゼッセン代表は次のように語っています。

（テープ）

「世界経済が様々な困難に直面しているにもかかわらず、ベトナムとEUとの貿易関係は全く影響を受けませんでした。実際、今年も、双方の貿易取引額は増加する見込みです。ですから、FTAに関する交渉はベトナムのみならず、EUにも利益をもたらすと思います。現在、ベトナムとEUは互いに良好なパートナーとなっています。そこで、双方は、互恵をもたらすため自由貿易地域へ向かう必要があります。」

フランズ・ゼッセン代表はこのように語りました。

PCA協定は、ベトナムとEUとの関係発展に重要な前提であり、原動力を作り出すと期待されています。