22日、EU=欧州連合外相理事会は武器禁輸措置を除くすべての対ミャンマー制裁措置を解除することで合意しました。
制裁解除により、政府関係者らの資産凍結やEUへの渡航禁止、林業、工業分野などでの貿易、投資の禁止などの措置が撤廃され、資源が豊富なミャンマーとEUの経済関係発展に弾みがつきます。そのほか、天然資源が豊富で経済大国であるインドや中国と国境を接するミャンマーに欧州の企業が投資できるようになります。
ルクセンブルグで開かれたEU外相会合の参加者ら(写真:VOVOnline/AP)
EUは昨年4月、制裁の一時停止を決め、政府幹部らのEU域内への渡航や天然資源の取引などを解禁しました。1年かけて、民主化が後退しないかを判断し、最終的に制裁の解除を決める方針でしたが、今回の決定はEUとミャンマーとの関係にとって、新しい動きで、積極的な兆を見せています。
これは、また、双方に利益をもたらす措置と評されています。さらに、これはEUとミャンマーだけでなく、EUとASEANとの協力関係にも役立つとみられます。特に、EUの動きを受け、昨年5月に対ミャンマー制裁を停止しアメリカ企業に許可に基づく投資を認めているアメリカ政府に圧力がかかる可能性があります。すでに一部のアメリカ企業幹部は政府に対し、全面的な制裁解除を求めています。
EU外相はルクセンブルグで開かれた会合後の声明で「ミャンマーで起きた変化を受け、変化が続くとの想定のもと、理事会は武器禁輸を除くすべての制裁を解除することを決定した」と明らかにしました。
ただ、ミャンマーでの人道上の問題は引き続き懸念されています。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は報告書で、ミャン マー西部ラカイン州で昨年起きた仏教徒によるイスラム系少数民族ロヒンギャ族の大量殺害を支援し人道に対する罪を犯したとして、州当局を非難しました。先月にも宗教をめぐる暴力で国内で死者が出ました。
ミャンマー側はEUのこの決定を大歓迎しています。特に、各企業は「これは大きなチャンスをもたらす」と評価しています。しかし、これはEUとミャンマーとの関係の改善にとって、最初の一歩に過ぎないといえます。双方関係強化のために、双方からのさらなる努力が必要とされます。