EUへのクロアチア加盟をめぐる問題

EUへのクロアチア加盟をめぐる問題 - ảnh 1

旧ユーゴスラビアのクロアチアは1日、EU=欧州連合に加盟しました。旧ユーゴ紛争後の混乱から10年に及ぶ交渉を経て加盟を実現させました。

クロアチアは現地時間の1日午前、EUに正式に加盟し、首都ザグレブでは記念式典が開かれ、EU各国の首脳が出席しました。ファンロンパイEU大統領は「西バルカンが平和と繁栄の中で暮らす共通の未来に向かう節目となる。EUにようこそ」と同国の加盟を歓迎しました。

クロアチアは加盟に向け、これまで7年かけて、EU主導の厳しい改革を受け入れてきました。ただ、同国の景気後退は5年目に入っており、厳しい経済状態は続いています。

クロアチアは1991年に旧ユーゴスラビアから独立しましたが、クロアチア系とセルビア系の住民が激しく対立し、4年余りにわたる民族紛争を経験しました。その後は経済の発展と地域の安定を目指し、2003年に加盟を申請しました。交渉開始から10年余りを経てEUへの加盟が実現しました。

式典でクロアチアのミラノビッチ首相は「われわれはバルカン地域のよりよい未来への架け橋になりたい」と述べ、バルカン半島の発展に向け、民族間の和解を進めていく考えを強調し、かつて戦火を交えたセルビアのEUへの加盟を支援していく決意を示しました。

祝福ムードに包まれるクロアチアですが、経済や政治上の課題は多いです。2008年に始まった世界的な金融危機の影響は同国経済にも影響を及ぼし、昨年の失業率は17.3%とギリシャやスペインに次ぐ高さとなりました。

政治面では90年代の独立以降、権力者による汚職が問題となってきました。汚職を監視する国際団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」によりますと、同国の汚職度はルワンダやヨルダン、キューバを上回っています。

一方、クロアチアは旧ユーゴの経済先進地域だが、国民1人当たりのGDP=国内

総生産はEU平均を大きく下回ります。金融危機で主要産業である観光業が打撃を受けるなどして経済は低迷しており、海外投資の呼び込みなど加盟を経済発展への弾みにしたい考えです。

クロアチアでは経済の不調が続いていて、EU加盟による経済の回復に期待する声が上がっています。しかし、欧州では債務危機問題がくすぶっているだけに、クロアチアでは今回の加盟による経済効果について懐疑的な意見も少なくはありません。

 

 

 

 

 

ご感想

他の情報