EVFTAの締結

初歩的な成果を収めましたが、新型コロナウイルス感染症が蔓延している背景の中で、ベトナムとEUはより多くの困難な段階に入っています。これにより、双方はこの協定がもたらすメリットを最大限に活用するため、適切な変更を実施する必要があります。

2020年8月1日に発効されたEVFTAは次世代のFTAの一つであり、ベトナムが世界2番目の大規模な市場であるEU加盟27か国と直接に結ぶものです。一方、総人口９８００万人を擁するベトナムはEUにとって重要な市場です。

EVFTAの否定できない価値

発効されてから、EVFTAはベトナムの経済成長を含め、ベトナムとEUの経済関係に大きな貢献を果たしてきました。

EVFTAが発効された直後、2020年後半の5か月間、対EUベトナムの輸出が前と比べて一変しました。特に、今年始めからのこの9か月間、EUへのベトナムの輸出額が連続して増加してきました。一方、EUからベトナムへの輸入活動も増加してきました。商工省のチャン・コク・カイン次官は次のように語りました。

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「EVFTAの発効は前向きな効果をもたらしています。ベトナムとEUとの年間の取引総額が12％増となりました。EUへのベトナムの輸出総額は380億ドルに、ベトナムへのEUの輸出総額は160億ドルに達しました。この協定の優遇政策を受けるため発効された原産地証明書も急増しました」

EVFTAがもたらす困難とチャンスを見極める

EVFTAがもたらすメリットは否定できないものですが、ベトナムはこの協定の締結で多くの困難に直面しています。特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、ベトナムに対するEUからの直接投資が減少傾向にあります。これらの困難を乗り越え、EVFTAがもたらすメリットを活用するためのベトナムの方策に関して、商工省所属工業貿易情報センターのレ・コク・フォン　元センター長は次のように語りました。

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「長期的な対策で企業の競争力をさらに向上させる必要があります。第二は裾野産業を一段と発展させるということです。しかし、当面、企業がEVFTAがもたらすメリットを活用するため短期的な措置をとりますが、その中で、最も重要なことはベトナムの輸出品におけるの付加価値を増やすということです。」

経済と政策研究所によりますと、通常の条件で、EVFTAは年間のベトナムの輸出入総額に55億ドルをもたらしますが、新型コロナウイルス感染症が複雑な動きを見せている中で、ベトナムはこの協定のメリットを活用できるように、主体的な政策を策定する必要があるとしました。経済専門家であるレ・ダン・ズオン博士は次のように語りました。

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「これは私たちがデジタル経済への転換、電子政府の構築、IT＝情報技術の応用を行うチャンスとなります。輸出の価値と比率を増加させるため、加工産業を発展させなければなりません。そのため、EVFTAは輸出分野だけでなく、デジタル経済への転換、企業の競争力を向上させるチャンスになると言えます」

EVFTAが発効されてからこの1年以上、ベトナムは多くのメリットを得ながらも、困難にも直面しています。チャンスと試練を十分に認識することにより、ベトナムとEUは互いの潜在力と強みを活用し、双方間の関係を発展させることに寄与することでしょう。