既にお伝えしましたように、8月1日、EVFTA=ベトナムとEU=欧州連合との自由貿易協定が発効されました。この協定は双方に多大なチャンスをもたらすと評されていますが、エコノミストらは、「そのメリットとチャンスを活用するために、ベトナムは体制改革を促進していく必要がある」と指摘しています。                     

新型コロナによるパンデミックが発生する前に行われた計画投資省の調査によりますと、EVFTAの履行により、ベトナムのGDP=国内総生産はおよそ3％増加する見通しです。また、世界銀行によりますと、この協定の恩恵により、80万人が貧困状態から脱出できるようになるとしています。 

体制改革

さらに、EVFTAは、管理機関と企業が改革を促進することに原動力を作り出すとの意見もあります。VCCI=ベトナム商工会議所の会頭を務めるブ・ティエン・ロック博士は次のような見解を述べています。

（テープ）

「EVFTAと世界経済への参入事業にとって、国内の体制改革はその成功を決定する要素と思います。実質的な改革は国の経済全体と企業の競争力の向上につながります。体制改革をしないと、生産活動は、加工や、組立、輸入材料への依存などという低いレベルにとどまるからです。」

一方、エコノミストのダン・キム・ソン博士は、「国際基準に達する国内のバリューチェーンを作る必要がある」と指摘し、次のように分析しています。

（テープ）

「我が国の戦略的製品の再構築を行わなければなりませんが、体制改革はその勝敗を決定づけるものです。体制改革、経済団体の能力向上、生産施設の競争力向上、強いバリューチェーンづくりなどは決定的な要素です。」

企業の役割向上 

一方、「各企業はEVFTAを新しい段階のスタートとみなす必要がある」との意見も出ています。同時に、企業が体制改革事業において、自らの役割を高めることもその事業の成功を左右すると評されています。これに関し、エコノミストのレ・ダン・ゾワイン博士は次のように語りました。

（テープ）

「現時点は、各経済団体が協議し、各銀行・企業と連携して、ベトナム企業の付加価値を高めるチャンスだと思います。」

ベトナム経済が小規模なものであることは事実です。そのため、経済発展を目指し、国際協力を徹底的に活用する必要があります。こうした中、ベトナムはEVFTAがもたらすチャンスを掴むために体制改革事業を加速させる方針を打ち出しています。