ロシアは1日、G8サミットの輪番議長国となりました。G8加盟諸国の経済が回復の兆しを見せている背景の中で、G8の議長国になるのはロシアに有利な条件を作り出しますが、多くの試練に直面することも予測されています。
プーチン大統領はこの日「今年ロシアで開かれる予定のG8サミットでは安全問題を重点的に討議する。『安全な世界の持続可能な成長に関するリスク管理』はサミットの中心議題となる」と発表しました。
プーチン大統領はまた今年のサミットでは薬物取り締り、テロリズムと過激主義を重点的に討議するほか、武力衝突地域での紛争解決、世界リスク管理システムの維持などの問題を討議する」としました。
今年に入り、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどG8 加盟諸国の経済が回復していることで、ロシアがG8 の共通の目標の実施に便宜を図っています。具体的にはアメリカの2013年の第3四半期のGDP 国内総生産の成長率は4,1%に達し、この2年の最高となりました。2013年11月現在、失業率は7%に引き下げられ、5年ぶりの最低水準になりました。
一方、ドイツで、2013年の失業率は前年同期と比べて1,6%減となりました。2013年のドイツの経済成長率は0,5%に達しましたが、2014年に、1,7%に達する見通しです。一方、フランスとイギリスの経済も回復の兆しを示しています。
世界の差し迫った問題の解決に関して、イランとシリア問題の解決に基本的な前進が出ています。今後、ロシアはG8 の議長国として、これらの前向きな動きを促進することができます。
ロシアが今年のG8サミットでは薬物取締り、テロリズムと過激主義を重点的に討議することは偶然のことではありません。これは治安問題がロシアを始め、G8加盟諸国にとって大きな試練となっているからです。2013年末、ロシア南部ボルゴグラード中心部で連日の自爆テが発生し、30人以上が死亡し、2014年に行われるソチ五輪への安全懸念が浮上しています。その他、ウクライナがEUとの自由貿易協定の締結を拒否したことはロシアとEU諸国との関係に悪影響を与えています。
このように2014年に、G8 議長国を務めるロシアは多くのチャンスに恵まれると共に、直面する試練も少なくありません。国際社会はロシアがこれらのチャンスを活用できるかどうかを注目しています。