
24日と25日の両日、ブルネイで第22回アセアン首脳会議が開かれています。会議に出席したベトナムのグェン・タン・ズン首相率いる代表団は、アセアンとの協力を重視し、アセアン諸国と、ともに、団結と強固なアセアン共同体作りへ向けて努力する、と、このアセアンとの協力が、戦略的な優先事項であることを、改めて強調しました。
ベトナム外務省のファム・クアン・ビン次官は、ブルネイへ向かう前に、新聞記者のインタービューに答え、「ベトナムは、常にアセアン内の協力を重視し、アセアンとの協力や、アセアンパートナーとの協力関係において、それらをさらに、発展させていく」と強調し、次のように語りました。
(テープ)
「これは、ベトナムの戦略的な優先事項であるので、ベトナムはアセアンとの共同活動に、積極的かつ責任感を持って、主体的に参加してきました。ベトナムはアセアンの目標を支持しています。それらは、団結した共同体の構築、アセアンの主体的な役割の発揮などです。」
共同体の構築、という目標の傍ら、アセアンは地域の平和、安全保障、安定及び発展に関する重要な問題の解決へ向けた、アセアンの団結強化と、主体的な役割発揮を継続しています。
ビン次官によりますと、平和・安定・協力、および継続的な発展は、それぞれのアセアン加盟諸国にとって重要な問題となっています。それらを実現するために、アセアンには、自主性と団結、という2つの要素が必要とされています。ビン次官は次のように語りました。
(テープ)
「第一に、アセアンは、既存の成果や積極的な貢献に依存し、全地域の議事日程と優先的な分野を、引き続き提出しなければなりません。第二は、アセアンはパートナーと引き続き連携して、地域の行動規範を作成すると同時に、既に合意を達成した公約や、行動規範を実現するための規則、を作らなければなりません。」
今回の第22回アセアン首脳会議では、ベトナムの東部海域、いわゆる南シナ海における平和・安定・安全保障の環境の確保、という内容が討議されています。この問題について、ビン次官は次のように語りました。
(テープ)
「アセアンが合意に達して、発揮されるべき目標とは、信頼を醸成し、状況を複雑化させない、ということです。次に、南シナ海に関する6原則のアセアン宣言、DOC=南シナ海行動宣言、アセアンと中国首脳会議宣言などを含む南シナ海問題を巡る、公約や合意(ごうい)を効果的に実現しなければなりません。」
DOC発表10周年を迎える背景で、アセアンと中国はCOC=南シナ海行動規範、に関する交渉の方法について、積極的に討議しています。これに先立つ4月2日、北京で開かれたアセアン・中国高官会議で、中国はアセアンとの戦略的なパートナー関係樹立10周年を迎える一連の活動を発表しました。アセアンと中国との戦略的なパートナー関係は、政治、経済、貿易および、南シナ海問題を含む、地域内の平和・安全保障の環境の確保など、多くの分野が含まれています。そのため、今年は、アセアンと中国との戦略的なパートナー関係樹立10周年を記念するに当たり、南シナ海問題の解決を含む、全ての協力分野は、双方が、ともに関心を持っている内容となっています。
今回のアセアン首脳会議に参加したベトナム代表団は、同会議の成功、および、地域における平和、安全保障、安定、協力と継続的な発展の維持に寄与することでしょう。