アフガニスタン情勢をめぐる問題

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ISAF隊員

2001年9月のアメリカ同時多発テロをきっかけに、アメリカなどが開始したアフガニスタン戦争が10月7日で11年を迎えました。これはアメリカ史上最長の戦争となりましたが、反政府勢力タリバンは戦闘の長期化とともに勢力を回復し、現在アフガン全土の8割以上を掌握し、治安回復の兆しは見えていません。

米欧による2014年末までの治安権限移譲を見据え、中国やロシアは関与の強化を狙いますが、アフガン政府の機能不全は深刻で、中露の取り組みも迷走しています。

ロシアのプーチン大統領は今月2日、アフガニスタンの隣国パキスタンの首都イスラマバードで、ロシアとアフガン、パキスタン、タジキスタンの4カ国大統領による首脳会議の開催を計画していました。NATO=北大西洋条約機構軍からの2014年末までの治安権限移譲をにらみ、ロシアの影響力拡大を図る取り組みと見られますが、直前になって「プーチン大統領の多忙により延期されました。

こうした中、アフガニスタンに展開するISAF=国際治安支援部隊を主導するNATO=北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は、撤退予定の2014年末までの間に部隊の再配置や撤退、削減などがあり得る」と述べ、駐留軍の撤退プロセスを速める可能性に言及しました。

同事務総長は、最近、相次いでいるアフガンの警官や国軍兵によるアメリカ兵らの殺害について「かなりの部分が反政府武装勢力タリバンの戦略によるものだろう」と指摘し、治安部隊内部にタリバンがんでいるとの見方も示しました。

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アフガニスタ軍

先ごろ、アフガニスタン東部マイダンワルダック州で、アフガン国軍とアメリカ駐留軍が撃ち合う状態となり、アフガン兵ら4人のほか、アメリカ兵1人が死亡しました。一方、東部ホスト州で、自爆攻撃があり、アメリカ兵3人を含む14人が死亡したほか37人が負傷しました。死亡したのは、ISAFのアメリカ兵3人と現地警察官4人、市民6人にアフガン人通訳者1人となりました。

また、最近、イスラム社会に広がる反米感情に呼応(こおう)するかのように、アフガン治安部隊の隊員がISAF隊員を襲撃する「内部攻撃」が多発しています。2001年10月にアメリカ軍がアフガン攻撃を始めて以来、アフガンでのアメリカ兵の死者数は、過去11年間で2000人を超えています。

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アメリカ駐留軍が撤退の準備

オバマ政権は2014年末までにアメリカ駐留軍の戦闘部隊を完全撤退し、戦闘任務をアフガン部隊に任せて後方支援に完全移行する出口戦略を描いていますが、相次ぐアフガン部隊の“反乱”でアメリカ軍と部隊の共同作戦を縮小するなど、実現には不透明感もめました。

 

 

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