アメリカの中間選挙


アメリカの今後の政治の行方に大きな影響を与える連邦議会の中間選挙は4日夜から投票が始まりました。


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オバマ大統領と民主党の候補者モロイ氏(写真:AP)

選挙では、上院の3分の1に加え、議員の引退などで空席となった36議席、および、下院の435議席のすべてが改選されます。投票は、多くの州で、5日午前中に締め切られ、その後、開票作業が行われます。


中間選挙がなぜ重要になるか?

中間選挙は、アメリカ大統領選挙の中間の年、4年に1度実施される上下両院議員の選挙です。上院議員のうちの3分の1、下院議員全員が改選となります。各州の定めによりますが、同時に、任期が満了した州知事の選挙、各自治体の公職に関する選挙、欠員が生じている非改選上院議員の補欠選挙なども行われるのが通例となっています。

中間選挙中に、自分の党のメンバーのために遊説してまわり認知度を高め、今後2年以内に嘱望される政治家らの間で支持を高めておくのは、大統領選挙立候補者にとって最も手っ取り早い方法です。現在のアメリカ議会は、共和党が下院、民主党が上院でそれぞれ過半数の議席を保有しており、いわゆる「ねじれ議会」となっています。

4日の中間選挙では、この「ねじれ」が共和党の勝利によって解消される可能性が注目されます。上院の現有議席は民主党が55、共和党45となっています。


共和党か民主党か、どちらの党に信頼を置く?

これまでも共和党の反発に遭ってきたオバマ大統領ですが、さらに苦しい立場に立たされることになります。オバマ大統領は、過激派組織「イスラム国」への対応では、イラクなどへの地上戦闘部隊の派遣はしないと繰り返しています。しかし、地上戦闘部隊の派遣を求めている共和党の意向に配慮し、派遣を検討する可能性も出てきたそうです。

また、エボラ出血熱対応では、共和党は西アフリカの感染国からの入国禁止など強い措置を求めていて、これにも耳を傾ける必要が出てきます。一方、オバマ大統領が推す移民制度改革法案などの成立はさらに困難になり、やりたいことはできない状況に陥ります。オバマ政権の残り2年の任期は、レームダック化がさらに進むことになりそうです。

今回の中間選挙で、民主党が上院でも多数派を維持できなければ、オバマ大統領は政権運営が一層難しくなります。特に、今回改選の対象となる上院の議員は、オバマ大統領が初めて大統領選挙に勝利した6年前に同時に行われた議会選挙で当選した議員です。

中間選挙の結果、民主党が上院の半数の議席を維持できるのか、それとも野党・共和党が8年ぶりに上院でも多数派を奪還するのか。2期目も折り返し地点を迎えたオバマ大統領と民主党が、アメリカ国民から審判を受ける議会選挙となります。


オバマ大統領への試練

最新の世論調査によりますと、共和党が上下両院でともに議席を伸ばし、引き続き下院で多数派となる可能性が高く、苦戦を強いられているオバマ大統領の民主党が上院で多数派を維持できるかが最大の焦点です。

共和党が優勢となっている理由は、オバマ大統領の支持率が低迷していること、上院の改選36議席のうち21議席が現在民主党の議席であること、中間選挙で現職大統領批判が与党批判につながり、与党が不利になりやすい傾向があることなどです。

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