アメリカ・インドの戦略対話

アメリカのクリントン国務長官とアメリカを訪問したインドのクリシュナ外相は13日、年次戦略対話を行い、防衛産業や海上の治安活動、サイバーセキュリティの分野で両国関係を強化することで合意しました。

クリントン長官は「両国関係の戦略的な土台は両国の国益を一段と収れんするもの」と述べました。そのうえで、この関係には「共有する民主的な価値観だけでなく、経済上の必要性、外交および治安上の優先事項も含まれる」と付け加えました。クリントン長官のこの発言はアメリカが自国のアジア外交戦略においてインドとの関係強化を重視することを示すものといえます。

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同長官は両国が2国間の投資を促進するための条約調印や、貿易の拡大に向けて調整を進めると明らかにしました。防衛分野ではテロ対策やサイバーセキュリティ、アフガニスタンを含めた3国間対話の分野で関係を強化する考えです。

クリントン長官は「これら全て、またその他の主要な課題について、共通の利益を共通の行動に移すよう調整を進め、これを貫かなければいけない」と述べました。

一方、クリシュナ外相は「アメリカの産業界が顕わにしている懸念に敏感になっている」としたうえで、「インド経済は投資家の信頼を回復し、力強い成長を再び 取り戻す」と語りました。これは、12日にアメリカ産業界向けに行ったスピーチでの発言を繰り返した形です。アメリカ産業界では、インドの規制をめぐる不透明感や政権運営 の手詰まり感に対し、失望が広がっています。

アメリカとインドはここ数年で軍事分野での関係を深めており、合同軍事訓練を実施しているほか、90億ドル超の防衛分野での契約を締結しています。経済面での関係も大きく発展しています。クリントン長官の予測で、今年に両国間の貿易額が2009年と比べ40%増となる1000億ドルを越える見通しだということです。

こうした中、国際世論は「米印関係が良好に発展しているが、両国間の対話や、シャトル外交活動などにより、今後も大きく発展していく」との見方を示しています。

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