アメリカ次期国務長官の初外遊

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アメリカのジョン・ケリー国務長官は24日、就任後初外遊となる欧州と中東9カ国の歴訪に出発しました。今月24日から来月6日にかけて行われる今回の外遊では、マリ、シリア、アフガニスタン問題が主な議題となるということです。11日間の歴訪でケリー国務長官は、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、トルコ、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪問します。

EU=欧州連合の主要4カ国の首脳と同盟関係を確認し、トルコや、カタール、エジプトではイランの核問題や内戦状態のシリア情勢など域内の諸課題で意見交換する予定です。また、フランスでは、イスラム武装勢力掃討のため、フランス軍が介入したマリについて協議するとのことです。

クリントン前国務長官は最初の外遊で日本などを歴訪し、オバマ政権のアジア重視戦略を体現しましたが、ケリー国務長官はアジア重視の陰に隠れがちだった欧州や安定した関係構築が不可欠な中東地域を真っ先に訪問し、アメリカ外交のバランスを取る役割も担っています。

一方で、ヌランド報道官は、ケリー長官ができるだけ早い時期にアジアを訪問する見通しだと述べ、2期目のオバマ政権でもアジア重視戦略に変更はないと強調しました。国務省によりますと、ケリー長官はイギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどを訪問し、2国間や国際問題への対応を協議するとしています。

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25日、ケリー国務長官は、イギリスを訪れて、キャメロン首相やヘイグ外相と相次いで会談しました。このあと、ケリー国務長官はヘイグ外相と共同会見を行い、イランによる核開発を断固阻止することを確認しました。

そのうえで、「外交的な解決に向けた窓は永久に開いているわけではない」と述べ、イランに対して、26日に再開される欧米諸国などとの協議で歩み寄るよう求めました。
また、激しい内戦が続くシリアを巡っては、反政府勢力が、「国際社会は、弾圧を続けるアサド政権に対し有効な手だてをとっていない」と抗議して、シリアに関する国際会議への欠席を表明したことを受けて、会議を開く意義を強調して反政府勢力の参加を促しました。

さらに、就任後初めての外国訪問にイギリスを選んだことについては、「共通の価値観や共有する長い歴史があり、特別な関係と呼ばれる理由がある」と述べ、オバマ政権がアジア重視を打ち出すなかでも、欧州の同盟国、イギリスとの関係に変わりはないと強調しました。

前任のクリントン国務長官は就任後の初外遊に日本を含めたアジアを訪れ「アジア重視外交」を印象づけたのに対し、ケリー長官はシリア問題などの中東情勢に力を入れる姿勢をアピールする訪問先と言えます。

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