イスラエルの総選挙

イ スラエルで22日、総選挙の投開票が実施され、同国メディアによりますと、開票率96%時点でネタニヤフ首相が率いる右派政党リクードと「わが家イスラエル」の 統一会派が31議席を獲得、第1党となりました。ただ、政権を支える宗教・右派政党が合計で過半数を獲得するのは微妙な情勢です。首相は続投を目指しますが、安定政 権の樹立には躍進した中道勢力の取り込みが不可欠になりそうです。

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投票所

選挙直前の世論調査では、対パレスチナ強硬派のネタニヤフ首相率いる右派の与党リクードと、別の右派政党との統一会派が優勢と伝えられています。

さらに、パレスチナとの中東和平交渉を否定するなど過激な主張を続ける、極右政党「ユダヤの家」も急速に支持を伸ばしています。

ネタニヤフ首相は、国際法違反とされる占領地でのユダヤ人の入植を2010年に再開し、その後、パレスチナ側の強い反発で、中東和平交渉が中断する事態を招いています。また、核開発を続けるイランに対しては、安全保障上の最大の脅威だとして、軍事攻撃も辞さないとする強硬姿勢をとり続けています。

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アラブの春によって周辺諸国でイスラム勢力が台頭するなど、中東情勢が一段と不安定になるなかで、イスラエル国民がどのような判断を示すのかが注目されています。

ネタニヤフ首相は23日、勝利演説を行い、イランの核武装阻止が新政権の最優先課題になると述べました。同首相は「あなたがたの首相になることを誇らしく思い、イスラエルを率いる3度目の機会を与えてくれたことに感謝する」と支持者に語りかけたうえで「これまで、そして引き続き第1の課題となるのは、イランの核兵器保有を阻止することだ」と述べた。

同首相はかねてより、イランの核プログラムはイスラエルの存亡に関わる脅威と主張し、イランの核武装阻止を目的とする武力行使を強く示唆しており、国際社会に懸念をもたらしています。リクードとイスラエルの統一会派は選挙前の42議席よりも議席数を減らしました。

元ジャーナリストのラピド氏が率いる同党は新党にもかかわらず、いきなり19議席を獲得しました。選挙戦では、信心深い「超正統派(ちょうせいとうは)」の徴兵免除(ちょうへいめんじょ)などの特権廃止を訴え、世俗派の支持も集めました。

イラン核問題でも対話重視の姿勢を示しています。ネタニヤフ首相は23日、政策の優先課題としてイ ランの核兵器保有阻止を真っ先に挙げました。政権の枠組み作りで中道政党の立場をどの程度受け入れるかが、中東情勢の行方を左右しそうです。

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