イラクからのアメリカ軍撤収

イラクからのアメリカ軍撤収 - ảnh 1
イラク駐留米兵


アメリカのオバマ大統領とイラクのマリキ首相は12日、ワシントンで会談し、イラク駐留アメリカ軍の年内の完全撤収後も戦略的連携を維持していくことを確認しました。ホワイトハウスは同日、F16戦闘機を18機イラクに追加売却すると議会に通知しました。オバマ政権としてイラクの安全保障に一定の関与を続ける姿勢を明確にしました。

会談後の共同記者会見でオバマ氏はアメリカがイラクにとって「強力な不朽のパートナーだ」と力説しました。治安維持権限をイラク政府に全面的に委ねることで「主権国家同士の正常な関係という新時代の幕開け」を迎えたと訴えました。

今後はアメリカ・イラク両軍によるシーレーン防衛訓練などを実施することを明らかにし、核兵器開発を続ける隣国イランの包囲網づくりに努める考えを示しました。マリキ氏は「安保分野で依然として協力が必要だ」と語り、アメリカが装備面でさらなる支援を続けるよう要望しました。石油産業の復興への投資の拡大も求めました。

駐留アメリカ軍の今後の動きについては、オバマ氏が「最後のアメリカ軍部隊が近くイラクを出国する」と説明しました。14日にノースカロライナ州でアメリカ部隊の帰還歓迎式典に出席し、2003年以来のイラク戦争の終結を正式に宣言する予定です。

最多で約18万人いた駐留アメリカ軍は2010年夏に戦闘部隊が撤収し、今月初め時点でイラク政府軍の育成などを担う1万人程度が残っていました。これに先立ち2日、最大のアメリカ軍基地がイラク政府に返還されました。バグダッド郊外にあるビクトリー基地は最大で計6万2000人が駐屯していました。

同戦争はブッシュ前大統領が「イラクのフセイン政権は大量破壊兵器を保持している」として開戦を決断し、アメリカ兵約4500人が死亡、3万2200人以上が負傷したほか、戦費が8170億ドルにのぼりました。だが、大量破壊兵器は見つからず、アメリカの国際的な孤立を招きました。アメリカ軍撤収がイラクの新時代の幕開けとなることが期待されています。

ご感想

他の情報