イラク情勢をめぐる問題について

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ハシミ副大統領


イラク当局は19日、タリク・ハシミ副大統領に対し、爆弾テロなどに関与した容疑で逮捕状を出しました。ハシミ副大統領は20日に記者会見を開き、容疑を真っ向から否定しました。


イラクは挙国一致政権の発足から21日で1年を迎えますが、18日に駐留アメリカ軍の撤退が完了したばかりで、宗派間対立を内包した脆弱な連立政権のほころびが早くも表面化しました。


ハシミ副大統領が属する世俗派とスンニ派の政党連合「イラキーヤイラク国民運動)」は逮捕状発行に反発し、閣議をボイコットする構えです。ハシミ副大統領の周辺では、この数週間で少なくとも13人のボディガードが当局に一時身柄を拘束されました。

国営テレビでは、内務省がハシミ氏のボディガードだとする人物がテロ計画を自供し、ハシミ氏の援助と資金を得ていたと語る映像が放映されました。しかし、クルド自治区アルビルで会見したハシミ氏は、この映像について「政治的にねつ造された」ものだと非難し、自己のテロ関与を一切否定するとともに、アラブ連盟首脳らに問題とされたテロの捜査への介入を求めました。

また、ボディガードの自供についても、政治的な陰謀に基づく虚偽の自供だと語りました。会見以前にハシミ氏側は、ボディーガード拘束の件に加え、治安部隊がハシミ氏の自邸前を数週間にわたって封鎖するなど「意図的な嫌がらせ」を受け続けているとしてマリキ政権を批判しています。


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イラク国内のテロ現場


前週末には、ハシミ氏と同様にイラキーヤ内部のシーア派であるサレハ・ムトラク副首相がスンニ派のヌーリ・マリキ首相率いる連立内閣を「独裁」と呼んだことで、マリキ首相がムトラク氏に辞任を求めました。この時点ですでにイラキーヤは連立から離脱はしないものの、閣議をボイコットする構えを示していました。

こうしたイラク政権の内紛についてアメリカ政府は、ジェームズ・ジェフリー駐イラク大使がイラクの指導者たちと会見し、懸念を伝えました。国際世論もアメリカ軍撤退後のイラク治安情勢に深い懸念を示しています。しかしマリキ首相は、ハシミ副大統領の逮捕状を取り下げるための仲裁は、一切受け付けないと断言しています。

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