イランの核開発問題を巡る6カ国協議

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15日から2日間の予定でスイスのジュネーブで、イランと国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国の イランの核開発問題を巡る協議が始まりました。協議には、イランのザリーフ外相や、関係6か国の調整役を務めるEU=欧州連合のアシュトン上級代表らが出 席しました。

今回の協議は、欧米との関係改善を進めるロウハニ大統領が今年8月に就任したあと初めてで、提案の詳しい内容は明らかにされていませんが、イ ラン側は核兵器の開発疑惑の払拭に向けた提案を行ったとしています。

欧米側は核兵器への転用が懸念される濃縮度20%のウランの製造を停止する見返りに、 経済制裁を一部緩和することをこれまでに提案していますが、イラン側の提案のしだいによっては柔軟に対応する用意があるとしており、今回の新たな提案の内 容を慎重に見極めるものとみられます。

イラン政府関係者によりますと、保有する185キロの20%濃縮ウランについて、IAEA国際原子力機関の監視下で燃料棒にし、兵器への転用をできないようにします。約250キロの20%濃縮ウランを90%まで濃縮すれば、原子爆弾1発ができます。

また、濃縮率5%の低濃縮ウランについては、いったん隣国トルコへの搬出を想定しています。その後にロシアへ移送して20%に濃縮し、燃料棒にして首都テヘランの医療用研究炉に戻すということです。

6か国側は、この協議でイラン側に更なる説明を求める方針で、行き詰まってきた交渉に解決の糸口を見いだせるか注目されています。

6カ国側はイランの提案を受け、制裁緩和に見合うかを慎重に検討する構えです。今回の協議では制裁緩和まで含めた合意には至らないとみられます。欧米側は信頼醸成措置として、まずウラン濃縮活動の縮小などを要求しており、査察拡大を通じた核開発の透明性確保も課題となります。イスラエルはイランの核武装 を強く警戒しています。

しかし、イランはウラン濃縮そのものは継続する構えを崩していません。アラグチ外務次官は協議に先立ち、ウランの「国外搬出は越えられない一線」とけん制しました。

一方、イランの核開発をめぐる国際交渉を前に、米国内でイランが求める経済制裁緩 和への慎重論が沸き上がっています。イランが対話路線の裏側で核開発を継続する懸念があることなどが理由で、与野党議員から経済制裁強化を求める声が出ています。

オバマ政権は信頼関係構築をねらった経済制裁緩和も視野にいれていますが、対応を誤れば議会との新たな対立の火種にもなります。

イランの核開発問題を巡る欧米など関係6か国との協議はこの4年の間に何度も開かれていましたが、いずれも予定通りの結果を収めませんでした。

今回の協議は、失敗を避けるために、関連各側はイランの核開発問題を段階的に解決するために、互いに譲歩し、前向きな態度を示す必要があることでしょう。

 

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