イラン情勢

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イラン情勢

2日、任期満了に伴うイランの議会選挙は定数290の議席をめぐって、およそ 3400人が立候補し、国内各地で一斉に投票が行われました。
選挙戦は、アフマディネジャド大統領と最高指導者のハメネイ師との確執が伝えられるで、保守派どうしの激しい争いとなっています。
こうしたなかハメネイ師の影響下にある()護憲評議会(ごけんひょうぎかい)」が、事前の資格審査で、アフマディネジャド大統領に近い候補者の多くを失格にしたとされ、大統領に近い勢力は厳しい戦いを強いられています。
さらに、核開発問題を巡って欧米諸国が経済制裁を強化し、国内経済が疲弊(ひへい)するなか、大統領を批判する超保守派(ちょうほしゅは)は、生活必需品に対する補助金を削減した大統領の経済政策を批判して攻勢を強めています。
一方、2009年の大統領選挙のあと、大規模な反政府デモを展開した改革派は、当局の厳しい規制のため力を失い、今回の議会選挙には多くは立候補すらしていません。
超保守派が勢いを増せば、イランは、核開発をやめさせようとする欧米諸国に対して、さらに強硬な姿勢を取るおそれがあり、選挙の結果が注目されています。

国際社会での孤立や国内経済の悪化を受け、イラン指導部は「体制崩壊の危機感を確実に強めている」とされます。このため、より多くの国民の参加で選挙を成功させることは「国民の支持を得た体制の正統性」を内外にアピールする絶好の機会となります。

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IAEAの査察団に反対するイランの抗議デモ

このようの中、欧州連合とアメリカの制裁によりイランからの原油輸出が減っています。2月29日、アメリカホワイトハウスのジェイ報道官は「アメリカはイランの核兵器開発を阻止するため外交措置及び対イラン経済制裁の強化を継続する」と発表しました。こうした動きは、来る3月にホワイトハウスでのアメリカ・とイスラエル首脳会議の準備へ向けた共通メッセージを出すためのオバマ政権の努力の一つであると見做されています。というのはアメリカと同盟国はイスラエルがイランの核兵器開発施設への攻撃を決めることに懸念しているからです。現時点におけるアメリカは、制裁措置を通してイランに圧力をかけるため外交運動に集中して国際共同体を動員したい意向です。しかし、アメリカの高官らは「イランの核開発を阻止するためにいかなる措置をとる」と何度も強調してきました。アメリカのシュワルツ米軍参謀総長は「イランとの紛争が起きた場合に同国の核施設を軍事攻撃する選択肢の用意が整っている」と明らかにしました。

今回のイラン議会選挙では、選挙戦がいくら激しくなったとしても、平和利用目的の核開発の推進というイランの考えは変わらないでしょう。これは、米欧諸国からまったく期待されていないことであり、また、その国の緊張情勢を緩和さえできない要素であるとも見做されています。

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